研究課題/領域番号 |
25350184
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
中野 博之 弘前大学, 教育学部, 教授 (30400120)
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研究分担者 |
中村 享史 山梨大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70303394)
田端 輝彦 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (80344745)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 数学的な考え方 / 現職教員 |
研究概要 |
本研究の目的は,算数科における「数学的な考え方」の育成に向けた現職教員研修のための教材を開発するとともに開発した教材の有効性を実際の研修会及び授業研究で検証し,現職教員研修の在り方について提言することにある。 今年度は研究者や実践者によって様々な捉え方がなされている「数学的な考え方」について,算数・数学を専門的に研究したことがない小学校教員にも理解されやすいものとするために捉え直すことを行った。 その結果,数学的な考え方については「『もっと簡単にしよう』(簡潔),『もっとわかりやすくしよう』(明確),『同じと見よう』(統合)という心情から発した動機を基に算数・数学を創造していく活動(行為)」と捉えることとした。そして,この算数・数学を創造していく活動を数学的なものとして支える要件として「算数の授業での既習の内容に置き換える」ことを重要視することとした.さらに,算数の授業において上記のことを具現化するための問いの視点を「解決の方法をよりよくする」「問題を解決した後に問題の本質的なことを明らかにしようとする」「問題を解決した後これまでに知っているものごととの関連を知ろうとする」の3点にまとめた。 こうした,「数学的な考え方」の捉え直しを基に,上記のことを実際に小学校教員が経験できるようにするために円の求積の問題と整数の性質の問題についての研修会での展開案を考えた。 なお,こうした実績を成果として発表するために,26年度早々に学会誌への投稿ができるように準備している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まず,「数学的な考え方」について小学校教員に理解されやすいものにするための捉え直しが行えたことが評価できる。そして,2つの教材についてその展開案が示せたことにより,残りの2年間で,さらなる教材の開発と共に,実際に研修会で開発した教材で実践しその成果を実証的に検証できることも順調に進んでいると評価できる理由である。
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今後の研究の推進方策 |
さらなる教材の開発と共に,実際に研修会で開発した教材で実践しその成果を実証的に検証する。研修会は,地域の実態が異なる青森,東京で行い共通して見出されたものは何かを考察するようにする。また,教材の有効性の実証方法は,研修会直後のアンケート,及び,2ヶ月後のアンケートを同一教員に行い,研修会での経験が児童への授業改善につながったのかを調べていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
分担者が一時的に病気療養のため分担金の一部返金があったため 次年度の旅費として使用する
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