研究課題/領域番号 |
25350191
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
松原 道男 金沢大学, 学校教育系, 教授 (80199843)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | webアプリケーション / 評価法 / 科学的表現力 / 観察・実験 |
研究概要 |
本研究では,科学的な表現力を育成するために,理科の学習での予想や観察・実験計画,実験結果の考察などにおいて,学習者が自由記述した内容を,web上で自動的に評価するシステムの開発を行うことを目的としている。平成25年度は,大きく次の2点について研究,開発を行った。 一つ目は,予想や観察・実験計画,結果の考察に関する理科の映像課題を作成した。小学校3学年から6学年の内容を対象に,内容区分が偏らないように各学年3問,計12問の映像課題とその答えを解説したビデオを作成した。たとえば,ビーカーに水と氷を入れておくと,ビーカーのまわりに水滴がつくことについて,ビーカーから出た水ではないと判断するために,それを示す実験を提示し,なぜこの実験からそう判断できるかを学習者に記述させる課題である。同様に中学校第1学年から第3学年の内容が偏らないように,10問の映像課題とその答えを解説したビデオを作成した。 二つ目は,webシステムの枠組みの作成である。システムはWindowsサーバー上で動作するようにasp.netを用いて作成した。作成した映像課題の一つを対象に,約100人の学生に回答させた仮の回答データをもとに,課題選択による動画の提示から,自己組織化マップによる評価と答えについての解説ビデオの参照までシステムの動作を検証し,問題なく動作することが確認できた。とくに,回答の評価については,自分の回答に類似した回答が近くに配置され,自分の回答のセルの色や周辺のセルの色で得点が表示されるとともに,自分の回答の近くのセルをクリックして回答例を参照することによって,評価結果を確認することができた。さらに,webへのアクセスが困難な学校を想定して,同システムのデスクトップ版の作成を行い,同様の動作確認を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は,小・中学校の映像課題をそれぞれ10問作成する計画であり,その目標を達成した。また,課題への回答を自動評価するwebシステムの枠組の作成を計画しており,その枠組みを作成することができた。動作についても問題ないことが確認できた。さらに,計画にはなかったが,デスクトップ上においても同システムが利用できるように,デスクトップ版を作成し,動作を確認することができた。
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今後の研究の推進方策 |
附属学校や地域学校の協力のもと,小・中学生を対象に,作成した映像課題を提示して記述による回答を得る。各問題とも150人程度の児童・生徒を対象にする。入手した回答について得点化を行うとともに,自己組織化マップ作成のデータ化のために,これまでに開発したソフトを用いて分析を行う。分析結果をシステムに組み込み,システム全体を確立する。完成したシステムについて,小・中学校の児童・生徒,数人を対象に,内容および操作に関する感想を得て改善を図る。システムの開発と活用方法について解説した資料,さらに映像による操作法の解説を作成する。また,システムのデスクトップ版を作成し,これらをすべてDVDに収め,理科教師および理科教育関係者に配布する。
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