研究課題/領域番号 |
25350193
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
内田 聡子 福井大学, 医学部, 助教 (60334843)
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研究分担者 |
田村 圭介 福井大学, 医学部, 教授 (30212046)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 科学教育 |
研究実績の概要 |
本研究では、実験・工作・見学などの一連の体験学習により思考力を養う科学教育・学習方法の構築を目指している。体験学習の題材は、学習者にとって身近で、かつ、科学技術の発展を実感できる‘見る’ことに関するものとする。可視光だけでなく、赤外線やX線、更に、超音波や電子などを用いて‘見る’を含む。本研究で開発される教育・学習方法は一連の体験学習により構成されるので、その展開方法により、様々な学習者を対象に実施することができる。特に、医学系学生(医学・看護学・歯学・薬学等)の物理教育、理工系学部の初年次教育における専門課程学習への動機付け、文科系学生の科学リテラシー教育、初等・中等教育機関での課外授業、幅広い年齢層を対象とした公開講座などにおいて、効果的に活用できる。 平成27年度は、紫外線およびレーザーに関する演示実験装置の開発・製作を行った。 開発・製作した実験装置は、福井大学公開講座「わくわく物理実験室」での演示実験の一部として実践した。参加者は小中高校生・保護者・教育関係者で、参加者自身が実験する形式で行った。 実験・工作・見学などの一連の体験学習による科学教育・学習方法の実践として、これまでに開発・製作した実験装置を用いて、中学生を対象とした校外学習を行った。実施に際しては、昨年度の実践結果およびその後の議論を踏まえて内容および実験装置を改良した。‘見る’という一つのテーマを軸に、自身で体験して学習することは、知識の着実な獲得、学習内容への興味・関心の向上、学習意欲の向上に高い効果があった。また自発的な学習の継続に不可欠な成功体験および学習内容への新たな視点を得ることにも有効であった。さらに科学技術の発展について思考を巡らすことへ繋げることができた。 開発・製作・実践した実験装置および教育・学習方法に関して、学会発表2件、論文発表1件の成果発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに、光の性質やレンズのはたらき、望遠鏡および顕微鏡の仕組み、目の構造と機能を分かり易く示す実験装置の開発・製作・改良および学習方法の確立を行った。また、これらの実験を福井大学公開講座「わくわく物理実験室」および中学生を対象とした校外学習において実践した。さらに、開発・製作・実践した実験装置および教育・学習方法に関して成果発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに実践した内容に基づき、実験内容の精選、実験装置の改良・開発、学習方法の確立を行う。また、開発した実験を公開講座等で実践する。さらに、これらの成果をまとめ、発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
実践に際して、福井大学公開講座「わくわく物理実験室」では、学生が授業の一環として参加者に実験の演示・指導を行った。また校外学習では教員の協力が得られた。このためTA報酬に関する支出を控えることができた。 機器の納入遅延および初期不良の為、次年度に改めて納入となった。
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次年度使用額の使用計画 |
実験装置の改良・開発や実践時の材料・消耗品、機器の購入に使用する。また成果発表のための費用として使用を予定している。
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