本研究では、実験・工作・見学などの一連の体験学習により思考力を養う科学教育・学習方法の構築を目指している。体験学習の題材は、学習者にとって身近で、かつ、科学技術の発展を実感できる‘見る’ことに関するものとする。可視光だけでなく、赤外線やX線、更に超音波や電子などを用いて‘見る’を含む。本研究で開発される教育・学習方法は一連の体験学習により構成されるので、その展開方法により、様々な学習者を対象に実施することができる。特に、医学系学生(医学・看護学・歯学・薬学等)の物理教育、理工系学部の初年次教育における専門課程学習への動機付け、文科系学生の科学リテラシー教育、初等・中等教育機関での課外授業、幅広い年齢層を対象とした公開講座などにおいて、効果的に活用できる。 平成28年度は、開発・製作した実験装置および工作手法を、福井大学公開講座および福井県児童科学館ジュニアサイエンス講座「わくわく物理実験室」での実験・工作の一環として実践した。参加者は小中高校生・保護者・教育関係者で、参加者自身が実験・工作する形式で行った。 開発・製作した実験装置および実践した教育・学習方法に関して、国際学会にて成果発表を行った。分野を横断した学習内容の精選、各実験装置・工作手法の有効性および一連の体験学習教材の展開方法などについて、建設的で有意義な議論が行われた。 開発・製作した実験装置の製作方法や解析結果、実践内容などを文書化した。
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