大気中微粒子教材を活用した中学校3年理科「地球と宇宙」分野のモデル授業を構築して授業を実践した。この教材を導入した授業を行った2クラスと、導入しない授業を行った2クラスについて、生徒の理解や学習への意欲等について比較検討をした。その成果を日本理科教育学会第66回全国大会(信州大学長野キャンパス)で発表した。ウェブ教材を活用した理科授業とこの教材による日本の教員の授業づくりへの支援について、第24回化学教育に関するIUPAC国際会議で発表した。 10年間の大気浮遊物観測で得たカルシウムを含む土壌粒子数の割合の年間の動向と黄砂との関係について、アメリカ海洋大気庁が提供している気流の流跡解析を用いて検討し、分析した。その成果を第22回大気化学討論会(北海道大学)で発表し、この成果を加えてウェブ教材を改良し、更新した。この成果と、平成26年度日本理科教育学会第64回全国大会(愛媛大学)で発表した「活気ある理科授業の要素に関する研究」をさらに深めた成果を、岐阜大学教育学部研究報告に論文「大気浮遊土壌粒子の観測と中国の黄砂発生状況」と論文「生徒を揺さぶり、意欲的に向かわせる中学校理科授業の要素」として発表した。 より樹枝状に成長していく実験室での雪状氷結晶の成長過程の動画を加えて、雪状氷結晶のウェブ教材を更新した。これらのウェブ教材とモデル授業は、小学校4年理科「水のすがたとゆくえ」、5年「台風と天気の変化」、6年「人と環境」、中学校1年「物質の姿と変化」、2年「天気とその変化」、3年「地球と宇宙」、「自然と人間」で活用でき、児童・生徒が実感をもって自然の規則を学び、自然の姿、人と環境、地球環境へと学びをつなげていくための授業づくりに、教員の支援となるものである。
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