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2014 年度 実施状況報告書

実感をともなった「時間」概念育成のための教材開発ー化石化の可視化計画ー

研究課題

研究課題/領域番号 25350202
研究機関広島大学

研究代表者

山崎 博史  広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70294494)

研究分担者 吉冨 健一  広島大学, 教育学研究科(研究院), 講師 (00437576)
古賀 信吉  広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (30240873)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード時間概念 / 化石硬組織 / 二枚貝化石 / 石炭 / 続成作用 / 素材研究 / 炭酸カルシウム
研究実績の概要

貝殻を構成する炭酸カルシウムの化石化に伴う変化を地層の形成過程と関連づけて教材化することを目的として,昨年度作成したアラゴナイトとカルサイトの存在比を調べるための検量線を用いて,現世及び二枚貝化石の貝殻における炭酸カルシウムの変化の状況を検討した。その結果,経年変化に加えて,母岩の粒度組成やそれと関連した続成作用の影響を受けていることが追認された。また,貝殻の薄片観察により,化石においても元の層状構造を残している場合と粗粒なカルサイト結晶に変化していること,及びそのような違いがアラゴナイトとカルサイトの存在比と対応することが明らかとなった。なお,この点について学会発表を行った。
新に続成作用により生物遺体が化石化する他の例として石炭を取りあげ,石炭の産状及び試料の薄片観察による特徴の抽出に関する基礎資料の収集を行った。
教材化に関しては,その前段階として,現在の大学生の世代が高校生の時に地学を履修した割合が10%に満たない現状を考慮し,大学生の地学関連分野の認識状況を調査した。その結果,学生の多くは,地学現象に対して静的なイメージをもち,抽象化された概念や一般化された特徴によって捉える傾向を示すことが明らかとなった。なお,この点について学会発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

教材検討のための素材研究を充実させることに重点おいたため,予定していた教材のプロトタイプ作成・試行に至っていない。

今後の研究の推進方策

最終年度では,本年度までに得た素材研究の結果に基づいて,化石化の過程を続成作用として捉える新たな教材を作成する予定である。また,教材化に当たっては,履修者が地学の学習に内容に対して持っている静的なイメージを動的なものに変えるための方策となることを目的とする。

次年度使用額が生じた理由

少額なので次年度に繰り越しました。

次年度使用額の使用計画

物品費として使用する予定です。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 流水による堆積作用に関する大学生の認識状況2015

    • 著者名/発表者名
      山崎博史,齋藤紘輝
    • 雑誌名

      地学教育

      巻: 67 ページ: 181-197

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Phenomenological Interpretation of the Multistep Thermal Decomposition of Silver Carbonate to Form Silver Metal.2014

    • 著者名/発表者名
      Yoshikawa, M.; Yamada, S.; Koga, N.
    • 雑誌名

      The Journal of Physical Chemistry C

      巻: 118 ページ: 8059-8070

    • DOI

      dx.doi.org/10.1021/jp501407p

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Physico-Geometrical Mechanism and Overall Kinetics of Thermally Induced Oxidative Decomposition of Tin(II) Oxalate in Air: Formation Process of Microstructural Tin(IV) Oxide2014

    • 著者名/発表者名
      Kitabayashi, S.; Koga, N.
    • 雑誌名

      The Journal of Physical Chemistry C

      巻: 118 ページ: 17847-17861

    • DOI

      dx.doi.org/10.1021/jp505937k

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Multistep Kinetic Behavior in the Thermal Degradation of Poly(L-Lactic Acid): A Physico-Geometrical Kinetic Interpretation2014

    • 著者名/発表者名
      Yoshikawa, M.; Goshi, Y.; Yamada, S.; Koga, N.
    • 雑誌名

      The Journal of Physical Chemistry. B

      巻: 118 ページ: 11397-11405

    • DOI

      dx.doi.org/10.1021/jp507247x

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 地層の広がりを把握するための模擬野外観察2014

    • 著者名/発表者名
      中西裕也,山崎博史
    • 学会等名
      理科教育学会中国支部大会2014
    • 発表場所
      山口
    • 年月日
      2014-12-06
  • [学会発表] 地学教材開発のための貝化石を用いた続成作用の基礎的研究-新生代の貝化石を用いて-2014

    • 著者名/発表者名
      野村聡司,吉冨健一,山崎博史
    • 学会等名
      理科教育学会中国支部大会2014
    • 発表場所
      山口
    • 年月日
      2014-12-06
  • [学会発表] 流水による堆積作用に関する大学生の認識状況.日本地学教育学会第67回全国大会北海道大会2014

    • 著者名/発表者名
      山崎博史,齋藤紘輝
    • 学会等名
      日本地学教育学会第67回全国大会北海道大会
    • 発表場所
      江別
    • 年月日
      2014-08-10
  • [学会発表] 地学教材開発のための貝化石を用いた続成作用の基礎的研究(予報)2014

    • 著者名/発表者名
      野村聡司,吉冨健一,山崎博史
    • 学会等名
      日本地学教育学会第67回全国大会北海道大会
    • 発表場所
      江別
    • 年月日
      2014-08-09

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公開日: 2016-05-27  

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