研究課題/領域番号 |
25350209
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
片山 豪 高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 教授 (60635754)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 生物用語 / DNA抽出実験 / 教材化 |
研究実績の概要 |
1 生命科学における用語の統一化及び教育の体系化 高等学校生物の教育用語の検討は,新たな研究グループ(研究課題「新学習指導要領に対応した生物教育用語の選定と標準化に関する研究」(基盤研究(C)課題番号15K00918 研究代表者 渥美茂明)で継続研究を行っている。そこで,小学校・中学校の用語については,単独で教科書に記載のある用語の新課程の改定前及び改訂後のデータベースを作成し検討した。問題点を日本理科教育学会関東部会(2015,茨城大学)で発表し,発達段階に応じた定義を「高崎健康福祉大学紀要」(2016)で報告した。現在,中学校の用語データベースを作成中である。 2 学習指導要領に沿った高等学校生命科学教材の開発 (1)高等学校生物 「生物基礎」(1) 生物と遺伝子 イ遺伝子とその働き (ア)遺伝情報とDNA;簡易抽出したDNAを核酸に特異的に反応する蛍光色素を用いる教材を開発し,その実践を「生物教育」(2015)で報告した。この方法ではRNAや一本鎖DNAにも反応するので,二本鎖DNA特異的試薬を用いた方法に改善・実践した。日本理科教育学会(2015,京都教育大学)で発表し,現在論文執筆中である。 「生物」(1) 生命現象と物質 ア細胞と分子 (ア) 生体物質と細胞;組織解剖学の研究者と高等学校でも観察可能な細胞骨格の実験を進めている。ウ遺伝情報の発現 (ア) 遺伝情報とその発現;教材化に至っていない。(ウ) バイオテクノロジー;従来行われている耳垢型遺伝子(ABCC11)の多型解析の教材の方法を改善し,検出感度を上げた。これに関して,「群馬生物」(印刷中)で報告予定である。(2) 生殖と発生 ア有性生殖 (イ) 遺伝子と染色体;カイコ限性黄繭系統を用いることで,表現型と遺伝子型を可視化できる教材を開発し,日本生物教育学会(2016,東京理科大学)で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
1 生命科学における用語の統一化及び教育の体系化 小学校や中学校の教科書が改訂になり作業量が倍になったため,用語データベースの作成に時間がかかり,中学校の用語の標準化や定義の精査まで進めることが出来なかった。 2 学習指導要領に沿った高等学校生命科学教材の開発 現職理科教員の協力者は増えてきたが,職場の忙しさのために研究が進まず,まとめることが出来なかった。 3 当初考えていた分担研究者に共同研究をお願いすることが出来なかった。
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今後の研究の推進方策 |
1 生命科学における用語の統一化及び教育の体系化:日本生物教育学会の生物用語検討委員会で検討している高等学校の教育用語の検討は別組織で行う。中学校,小学校の用語の検討は,生物用語検討委員会の方法を意識しないで独自の方法で検討する。 2 学習指導要領に沿った高等学校生命科学教材の開発 (1)高等学校:研究に協力していただける現職生物教員をさらに増やす。また,大学の共同研究者もお願いする。 (2) 中学校,小学校:研究に協力していただける現職理科教員をさらに増やす。また,大学の共同研究者もお願いする。全ての研究において,時間のかかる単純作業は,リサーチ・アシスタント等を導入して研究の効率化をはかる。
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次年度使用額が生じた理由 |
用語のため研究の遅れをリサーチ・アシスタントを雇い進めることが出来たが,学習指導要領に沿った生命科学教材の開発のための実験に時間を割くことが出来ず,試薬や消耗品を使用することが極端に少なかった。また,協力する現職教員や研究者の研究時間があまり取れず,研究が進まなかったため,薬品等の消耗品の支出が少なかったため。また,学内共同研究費からの支援があった。
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次年度使用額の使用計画 |
共同研究を行える研究者や現職教員を増やし,遅れている学習指導要領に沿った生命科学教材の開発に取り組む。
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