1 生命科学における用語の統一化及び教育の体系化 中学校生物の用語については,単独で教科書に記載のある用語の新課程の改定前及び改訂後のリストを作成し,小学校と同様用語データベースを完成させ,用語を検討した。その結果,中学校教科書において,複製等の定義に不正確な表現があることが分かった。このことに関しては,日本理科教育学会関東部会(中学校理科用語(第二分野生命)のデータベース作成,2016)で発表し,「高崎健康福祉大学紀要」(理科用語の標準化に関する研究Ⅱ -中学校理科生命分野の用語データベースの作成と用語の定義-,2017)で報告した。 2 学習指導要領に沿った生命科学教材の開発 高校「生物基礎」(1) 生物と遺伝子 イ遺伝子とその働き (ア)遺伝情報とDNA;2015年に報告した簡易抽出したDNAを判定する実験教材に関する論文の改良した方法を「遺伝」(簡易抽出 DNA の蛍光染色色素による確認実験,2017)で報告した。また,高等学校の現行課程と旧課程,中学校におけるDNA抽出実験の比較を,「群馬生物」(DNA抽出実験の実施に関する研究-高等学校の現行課程と旧課程と中学校の比較-,2017)で報告した。「生物」(1) 生命現象と物質 ア細胞と分子 (ア) 生体物質と細胞;光学顕微鏡で微小管を観察する方法を考案し,高校生対象の実験講座を実施した(今後,論文等で報告する予定)。(2) 生殖と発生 ア有性生殖 (イ) 遺伝子と染色体;カイコ限性黄繭系統を用いることで,表現型と遺伝子型を可視化できる教材を開発した。この内容を「限性黄繭系統を用いた遺伝子の連鎖を可視化する教材の開発」というタイトルの論文を執筆した(近日中に蚕糸昆虫学会に投稿予定)。小学校「理科」5年生 B 生命・地球 (1) 植物の発芽,成長,結実;雌雄異熟植物を用いた教材を開発した(今後,論文等で報告する予定)。
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