研究課題/領域番号 |
25350216
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 小山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
伊澤 悟 小山工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (00232223)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 材料力学 / カリキュラム / 国際比較 / アメリカ:ドイツ |
研究概要 |
平成25年度は工業高等専門学校および大学における材料力学カリキュラムに関する調査を行った。 主として日本国内の国公立の高専と大学機械系学科の材料力学教育について、インターネットに公開されているシラバスの調査を行いデータベースの構築を行った。高専と大学における材料力学科目のシラバス調査を通じて、カリキュラムと教示内容の日本型教育の特徴の認識を目的としている。調査内容は、開講単位数、開講学年、選択、必修の別、講義内容などの学習単元について調査を行い、両者のカリキュラム構成の相違について考察した。機械系科目に占める材料力学の単位数や必修科目数は減少傾向にあるが、現状の単位数の中で具体的な学習単元について調査することで、割愛した学習単元や教示方法についても考察した。合わせて、実際に材料力学を教示している科目担当者への調査を通じて、高専と大学の材料力学教育の現状について、カリキュラム構成の他に学生の学習興味や理解の状況および過去との比較と変遷について把握を行い総合評価とした。また、意識調査の一環として材料力学への興味や理解に関する学生へのアンケートも行った。 更に、アメリカとドイツの教育システムについて特に大学教育と工学教育の概要に関して調査をするとともに、具体的な材料力学におけるシラバスや教科書についても一部調査を実施した。教科書については、日本の教科書と比較をすることで、学習内容や教示方法のアプローチ、両者の相違について比較・検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本国内の52高専と42大学工学部機械系学科における材料力学カリキュラムを評価するため、シラバスや教科書の基本的な調査項目については予定していたおおよその調査を実施することが出来た。具体的な調査項目として、開講単位数、開講学年、選択、必修の別、講義内容などの学習単元について調査を行い、カリキュラム構成の概要と高専および大学間の相違について。 その中で教科書については使用教科書の名称について、また全数ではないが教科書を入手して調査を行ったが、具体的なシラバスの内容に照らし合わせた教科書間の比較・検討の部分が一部未実施である。 また、並行して行ったアメリカとドイツの教育システムおよびカリキュラム構成の概要について基礎的な調査を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策については、平成26年度は、アメリカとドイツ両国における材料力学教育のカリキュラムおよび教育方法に関する調査を推進するとともに、引き続き日本の高専と大学における材料力学の教育方法について、特に教材と講義形態に関して重点化して調査を継続する。調査対象についても私立大学を追加することで、データベースを拡大する。調査方法については、アンケート調査および面接調査を実施し、多面的な調査を展開する。 この中で、海外調査は関係機関による断片的な調査になりがちであるが、この部分を拡大するため比較教育や工学教育の学会活動に参加することで、工学教育分野における海外との比較教育のアプローチ方法について学ぶことで、効果的に研究の推進を図る予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
アンケート調査については、カリキュラム調査に加えて、当該学科の在籍者数と受講生の実数等の調査を平成25年度の実績として調査することとした。そのため、アンケートのデータとなる情報は平成25年度であるが当初平成25年度内に予定していたアンケートの実施は、各教育機関でのデータが確定した平成26年度前期へ変更したため、次年度使用額に差が生じた。 上記理由により、平成26年度は当初の予定していた予算に加えて、平成25年度より繰り越した国内アンケート調査実施用の予算を使用する。
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