日本・アメリカ・ドイツの工業先進国の機械系学科における材料力学カリキュラムの比較を通じて、高専と大学における日本型工学教育の特徴について調査した。この結果、日本、アメリカ、ドイツにおける材料力学において、開設単位や講義時間は日本の高専が最も多いが、学習項目の内容には各国で大きな違いはない。また、教育方法や教科書については、各国それぞれに特徴がみられた。日本では寺子屋型に黒板を使った講義が多く、アメリカやドイツでは、講義中にディスカッションを多く取り入れるとともに、演習の時間も確保している。日本の教科書はドイツと同様に基礎概念について網羅しているが、演習問題はアメリカと比較して少ない。
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