研究課題/領域番号 |
25350226
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
田中 邦明 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (20227135)
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研究分担者 |
若菜 博 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90142778)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ESD / 環境改善活動 / 協同的社会参加 / 環境問題 / 水質観測 / 水質汚濁 |
研究概要 |
協同的社会参加ESDのための活動指針と多彩な環境改善活動を策定することを目標に、4つの当初活動計画にもとづいて実践と研究を行い、以下のような成果を得ることができた。 1、潜在的な価値をもちながら地域環境問題として水質汚濁問題を抱える先行モデル地域として大沼国定公園地域を選定し、同一エリア内にある対象地域として汚濁湖沼である「大沼」と「小沼」を、対照地域として非汚濁湖沼である「じゅんさい沼」を指定した。 2、環境問題の野外調査として、大沼湖の水質観測体制を確立し、結氷期を含む周年観測データを収集することにより、電気伝導度と水温の相関性、透明度との逆相関性、集中豪雨による透明度の急激で一時的な低下を毎日測定によって外部環境と水質の関係性を明らかにするとともに、結氷期においても電気伝導度が継続的に増加し続ける現象がみられ、底質中の微生物による有機物分解による水質汚濁の影響を明らかにした。また、じゅんさい沼におけるヒシによるリン酸吸収能力についての野外調査を実施し、肥料資源としてのヒシ利用の可能性について検討した。 3、協同的社会参加による環境改善活動として大沼青年環境サミットを企画し、高校生15名、大学生12名の小集団による試行的ESDプログラムを実施した。 4、青年環境サミットの成果物である「大沼環境アピール2013」の中で、協同的社会参加を活動指針とするESDプログラムとして、環境ガイドブックの策定プロジェクト、大沼特産物であるヒシの加工食品化・肥料資源化のプロジェクト、大沼の環境問題を広く知らせるためのCMビデオ作成プロジェクトなど、多様な実践を含むESDプロジェクトが提案された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画にもとづいて、計画された4項目について、いずれももれなく活動が行われているとともに、予想された成果があがっているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画にもとづいて、平成26年度においては以下の目標と4つの項目についての研究に取り組む。 目標:サービス・ラーニングの理論と問題解決計画にもとづいて,学習者の「社会参加」を促すESD プログラムを設計・実践し,問題解決と持続性確立への貢献度から,開発プログラムの効果を評価する。(担当者:田中邦明・若菜博) 1、問題解決活動に関与する学習者の社会参加の可能性と条件の検討 2、地域環境問題解決と持続性向上への貢献度についての評価指標・尺度の設定 3、社会参加アプローチによるESD プログラムの試作と使用テキストの編纂 4、試作した社会参加ESD プログラムの試行実践による貢献度の評価
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