大型科学とは、科学研究の中でも極めて巨額な予算と、大人数の研究者、長期間の研究期間を要する。本研究は大型科学のリスクとガバナンスについてふたつの側面から研究を進めた。ひとつは、多くの大型科学の中から、どのプロジェクトを優先的に選ぶべきかという点である。実際に文部科学省で使用している審査項目のうち、国民も科学者も「研究者合意」をもっとも重視していることがわかり、また国民は計画初期段階からの情報発信を望んでいることがわかった。二つ目は地域社会との関係で、多くの大型科学のプロジェクトが地域社会からリスクを持っていると判断される中、さらにその不満に対応しきれずガバナンスも十分ではない可能性を得た。
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