生物は自然界で生き残って子孫を残すよう、多様で精緻な「しくみ」や「ふるまい」を進化させているが、その教材活用の事例は少ない。生態学と理科教育の専門的研究者が協力し、教材開発を指向した新規の基礎研究を実施した。 外来植物ヘンルーダを与えて育てたナミアゲハ幼虫が、本来の寄主である柑橘類を与えても摂食せず、植物から逃げ出す現象を一部解明した。また、ヘンルーダを与えた場合の摂食行動と幼虫の成長率を調査し、ナミアゲハが外来植物ヘンルーダに未だ完全には適応していないことを明らかにした。これらの基礎研究の成果を基に、児童生徒が主体的にナミアゲハの「ふるまい」を探究するような学習教材のアイデアを提示した。
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