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2014 年度 実施状況報告書

中等理科教員養成における科学技術リテラシーの指導についての教授理論と方法

研究課題

研究課題/領域番号 25350249
研究機関大阪教育大学

研究代表者

石川 聡子  大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30314438)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード科学教育 / socio-scientific issues / 科学的意思決定 / STEM / アクティブラーニング
研究実績の概要

日本の中学校理科における単元「科学技術と人間」に関連する欧米における科学教育のトピックSSI(Socio-scientific Issues)研究の動向について、アメリカにおける当該研究を牽引している南フロリダ大学の研究者を訪問した。フロリダ州タンパ近隣の中・高校理科教員の教員研修に参加するとともに、SSIの高等学校での実践内容について調査をおこない、開発された教材について情報収集をおこなった。科学的な意思決定やargumentationなどのアクティブラーニングを取り入れたモジュールは日本の次期学習指導要領改訂がめざしている能動的な学習の具現化に向けて参考になることがわかった。また、SSIは次世代科学スタンダード:NGSSやSTEM Educationといった科学教育のトレンドとも深く関わりがあることも明らかとなり、日本の中学校理科の単元「科学技術と人間」の展望についての示唆を得ることができた。
また、単元「科学技術と人間」の指導の実態を明らかにする目的で、2014年11月~12月にかけて国内政令都市13市の中学校理科教員725名に質問紙調査を実施した。主な調査結果として、1)同単元にかける指導時間は約半数の教員が0~5時間であること、2)回答者の約8割が同単元の指導において学習指導案の作成経験がほとんどないかまったくないこと、3)しかしながら2)に関連して、その経験は市によって傾向のちがいがあること、4)同単元の指導について大学や大学院の講義や教職に就いた後の研修などにおいて、約7割の教員が学んだことがないこと、などの実態が明らかになった。同単元の指導時期が中学校3学年の高校入試と重なることから、教員の指導だけでなく中学生の学習への意欲が低いことや評価の難しさなどの課題が抽出された。2015年3月に調査結果の概要を各市教委に報告するとともに、現在詳細な分析を継続中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

中学校における単元「科学技術と人間」の指導の実態の概要を質問紙調査によって明らかにすることができ、また同単元に関連するSSIの研究と研究の動向の調査をおこなうことができた。これらのことから、本研究がめざしている科学技術の意思決定などの指導法についての教授理論を構成する主要な内容を得ることができたため。

今後の研究の推進方策

今年度明らかに出来た研究成果をもとにし、さらにアクティブラーニングの実践的な手法を取り入れることによって、単元「科学技術と人間」の指導法の理論を構築するとともに、その公表方法を検討、決定し、研究成果を中学校理科指導に資するものにする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 日本とシンガポールの中学校理科教科書における理科と日常生活・社会との関連の記述比較2015

    • 著者名/発表者名
      石川聡子、藤本拓弥
    • 雑誌名

      大阪教育大学研究紀要

      巻: 65 ページ: 0-0

    • オープンアクセス
  • [学会発表] SSI(Socio-Scientific Issues)の研究動向2014

    • 著者名/発表者名
      石川聡子
    • 学会等名
      日本理科教育学会近畿支部大会
    • 発表場所
      兵庫教育大学神戸ハーバーランドキャンパス
    • 年月日
      2014-11-15
  • [図書] 理科教育法2015

    • 著者名/発表者名
      石川聡子
    • 総ページ数
      242
    • 出版者
      大学教育出版

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公開日: 2016-05-27  

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