研究課題/領域番号 |
25350253
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
近森 憲助 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (40108874)
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研究分担者 |
小野 由美子 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (20177273)
小澤 大成 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (60253241)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ザンビア / SDS / 水 / 授業観察 / 環境教育 / ESD / 国際教育開発 |
研究概要 |
1.研究実施に関する国内及び現地関係機関(特定非営利活動法人TICO、教育省、地方教育局及び学校等)からの連携・許可及び協力の取り付け(平成26年6月‐11月):研究対象地域(中央州モンボシ地区)で活動している特定非営利活動法人TICO(本部:徳島県吉野川市)と連携に関する覚書を交わした。また、ザンビアの教育省及び同地区を管轄する地方教育局長より研究実施の許可及び承諾を得、研究対象校3校の校長より協力の了解を得た。 2.試行授業案の作成及びワークショップの実施(平成25年11月2日~11月10日) 対象校3校の校長及び教員(計13名)を対象にワークショップを実施した。その内容は①ESDについての説明、②国内開発した水をテーマとするSocial Development Studies(以下「SDS])のモデル授業案の提示、③モデル授業案を参考とした現地教員による授業案作成である。なお授業案は、本実践研究の趣旨との関連が強い教科であるSDSを対象とした。対象校でのSDSの授業観察及び対象校2校のの井戸水の水質検査(大腸菌群を含む)を行った。 3.作成したSDS授業案による授業観察及び研究代表者によるモデル授業の実施及び各校の状況把握(平成26年3月1日~3月7日) 11月のワークショップにおいて作成した授業案による授業実践状況の調査(聞き取り及び授業観察)、さらにモデル授業案による授業を現地児童を対象に各校教員が観察する中で3校において、それぞれ実施した。授業観察後の検討会において授業の改善点などについて協議した。またこれら一連の活動を通して、授業に一定のパターンがあることが明らかとなった。また、授業観察時に学校の状況について調査した。 4.2~3の活動成果を踏まえ、環境教育プログラムの構成及び26年度以降の調査研究スケジュールを作成し、TICO関係者及び研究チームで協議の上成案を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現地で活動するTICOとの連携、教育省、地方教育局などからの研究実施許可及び調査研究対象校の協力などを取り付けることができ、研究を開始することができた。ただ、現地での研究受け入れ環境の整備に時間を要したたため、平成25年10月末まで渡航できず、研究の開始が予定より約2か月遅くなった。 ザンビアの教科書の内容を精査することにより、本研究の趣旨に沿ったねらいをもつSocial Development Studies (以下「SDS」)というザンビア特有の教科を対象に環境教育プログラムを開発すること、現地教員と共同でSDSの授業案作成を開始するなど当初予定した環境教育プログラム原案の作成活動を開始することはできた。しかし、これらの授業案の実践を通した現地教員との共同作業による改訂に時間を要しているため、25年度内において環境教育プログラム原案の作成及びその現地教員への提示までには至らなかった。ただ、25年度の活動の成果を踏まえて環境教育プログラムの構成案を作成した。26年度以降データ収集等も継続しながら構成案に従い作成作業に取りかかる予定である。そのほか、水質検査及び対象校3校の状況把握は予定通り実施した。 以上のことから達成度については「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の成果を踏まえて、水質検査に加えて継続的な気温測定、地域の伝統や文化など地域の自然・社会・文化環境に関するデータを収集・活用しながら、「基礎的算数スキル」「大気質」「水」「木」「森」などの内容によって構成される環境教育プログラム案を26年度中に作成する。さらに同プログラムの構成に従って現地での試行を繰り返しながら27年度中には同プログラム最終版を完成させる。学校教育における有効活用について現地教育関係者と協議する。
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次年度の研究費の使用計画 |
旅費はほぼ予定通り使用したが、研究開始が遅れ、物品費を予定通り使用しなかったために26年度に使用金額が生じた。 26年度配分の物品費と合わせて研究実施上必要な物品の購入(水質及び大気質検査用器材、インクカートリッジ、上質紙などの印刷用消耗品、ビデオカメラ用電池、記憶媒体など)のために使用する。
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