研究課題/領域番号 |
25350258
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
山下 茂 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (00166670)
|
研究分担者 |
高浜 秀樹 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (10113010)
三次 徳二 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (10298127)
大上 和敏 大分大学, 教育福祉科学部, 准教授 (20583876)
藤井 弘也 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (70218981)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 実験授業力 / 協調学習 / ポートフォリオ / e実験ノート / 学校現場との連携 |
研究概要 |
本研究の目的は,理科の実験授業力を育成する教員養成カリキュラムの開発である。 まず初めに,この研究での取り組みの仮説を検討し,下記のように設定した。1つの校種に注目し,小学校教員養成課程において,小学校理科内容を確実に理解し,観察,実験について自らの手で十分に体験し,実践的な指導法を身につけたならば,小学校において自信を持って理科の授業を行うことができるであろう。これを実証するための手立てとして,教員養成での理科教科指導力育成の方法に関して,効果的な学習支援ツール等を開発しながら,学修デザインを研究する。今年度は,研究の実施必要な環境の整備と実践のための段取りを検討した。 協調学習による授業方法を取り入れ,授業案や課題等のピアレビュー,学生の成果はポートフォリオとして関係者等で検討できるシステムを構築した。システムにおいては,授業用Webサーバを立ち上げ,LMSとして「NetCommons」を導入し,Webベースの学習・実験ノートのプロトタイプ(e実験ノート)まで整備できた。この授業において使用するノートとしてタブレットPCをメインにして,実験での気づき,描画メモ,写真や学生が自分たちの用意した学習材料を効果的に公開できるWebページを用意した。 授業カリキュラムの検討としては,他大学での理科教育の授業シラバスの収集,検討を始め,実験を行う授業についてはこれまでの研究実績もあるのでこれらをもとにシラバスの検討に入ったところである。 地域との連携では,大分県の小学校理科研究会のメンバーや,付属学校の教員と協議を始めた。2度ほどの話し合いの中で,学校現場での教員の方々の授業研究,特に実験授業において,指針や参考となるデータがあるともっと効率的に実験準備ができるとのことである。これについて26年度から協力してやってみたいという了解を得て,これから具体的な方法を組み立て,関係者と協議することにしている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度目標にしていた,連携・協力していただく学校現場の教員の方々との実践を行う際のかかわり方を詰められていないことが,大きな未達成のところである。アンケート等を行い,学校現場の先生方の業務実態を把握することが,ネットワーク,Webシステムなどの設計に反映しておくことが重要と考えている。この利用環境の整備,また実際に利用していただくための説明・講習を,H26年度の早い時期に実施する。
|
今後の研究の推進方策 |
理科実験の授業カリキュラム「理科実験授業演習」を開設,実施する。講義室中心の理科(小)と組み合わせ,観察,実験中心の理科実験とで,広い範囲をカバーする。生物3~4割,地学2~3割,物理2~3割,化学1~2割程度が現場の授業時間数を設定する。その際大分に特徴的な内容について,必ず取り入れる。(生態系や地層,気象など)。評価規準の検討・作成:現場で授業を担当する教員に求められるコンピテンシーを示し,到達目標を設定,この授業を受講した学生の学習の定着度や, ICT活用力や実験スキルヘの到達度などを,ルーブリック等を用いて分析する授業モデル・学修デザインを検討する。制作(学修)過程を形成的評価(学生相互,学校現場の教員の方々の参加)を基に,小レポートに加え発表や演示実験を行わせる。なお,教職実践演習や4年次教育実習時において,受講後の実践応用力のデータの収集を行う。 タブレットPCを活用し授業の中で協調学習の指導を行いながら,学生達自身で学ぶ経験を通して,教員となった時の授業におけるICT活用力を身に着けさせる。 学校現場の教員の方々に,今回実践していく授業において,学生の学習に支援を行ってもらう体制を早急につくり,この連携するシステムが自分の授業研究に有効に機能したか調査を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
サーバ系の作業は進んだのであるが,クラウド系のシステムの構築が性能のチェック等に手間取り,段取りよく構築ができなく35万ほどの残が発生した。また,いくつかの科目(生物,地学)等の教材作成費が,検討の遅れより未支出になってしまった。 H25年度の未支出分の発注に取り掛かり,H26年度の授業の研究を実施する経費(調査等の旅費,ICT環境の補充等)は予定通り支出する計画である。
|