本研究課題においては、福島第一原発事故後に、国民の放射線・原子力に関する認知、知識等が事故前とどのように変化したかを調査し、それに従った放射線・原子力教育教材の作成を行うことを目的とした。特に、本年度には、これまで実施した教科書調査および中学校へのアンケート調査に関して、解析を終え、一部は平成27年度放射線安全取扱部会年次大会(第56回放射線管理研修会)で発表を行なった。現在、他の内容と併せて論文発表を準備中である。これまで作成した教材の教育効果を検討するために、平成27年8月に横浜市(港北区)で小学5年生~中学3年生を対象とした放射線教室を開催した。本放射線教室では、講義、実習、および放射線利用に関するディベートを行い、放射線の基礎から応用まで全般を学んで頂き、アンケート調査からは非常に良好な教育効果であったことが示唆された。更には、これら教材の一部は英語化して、スウェーデンの高校にて活用頂いている。更には本年度8月に訪日したスウェーデンの高校生にこれら教材を用いて放射線教育を実践した。当該実践の後に当該高校生と共に、広島市を訪問し多面的な放射線教育に取り組んだ。この様子は、AP通信を通じて世界へ発信された。 昨年度から実施している高校生による環境放射能測定は幾つかの測定についてまとまり、日本語ではあるが公開した。また、当該活動は次年度以降も継続して実施予定である。
|