本研究では、科学技術に関する意思決定と合意形成を支援するために、複数の理科教材が開発された。教材におけるディスカッション・テーマとして、遺伝子組換え食品、監視カメラ、地球温暖化対策、外来種対策、理想の都市生態系、などが取り上げられた。また、意思決定と合意形成における手法として、市民陪審、シナリオ・ワークショップ、ロール・プレイ、協働でのイメージ図作成など、多様な形式が採用された。これらの教材は、簡便に活用できるよう、冊子にまとめられた。さらに、教材はそれぞれ、理科教員免許取得を目指す学生を対象に試行された。その結果、各教材は有益な効果と可能性をもつことが示唆されたが、今後の課題も明確になった。
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