| 研究課題/領域番号 |
25350290
|
|---|
| 研究機関 | 山口県立大学 |
|---|
研究代表者 |
池田 史子 山口県立大学, 国際文化学部, 准教授 (10275430)
|
|---|
| 研究分担者 |
畔津 忠博 山口県立大学, 情報化推進室, 准教授 (70285451)
川島 啓二 九州大学, 基幹教育院, 教授 (50224770)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
| キーワード | 批判的思考 / 論証型レポート / アカデミックライティング / アクティブ・ラーニング / 知識構成型ジグソー法 / ピア・レビュー |
|---|
| 研究実績の概要 |
３年間を通じて、批判的思考と論証型レポートの類似性に注目し、批判的思考態度を育むための日本語ライティング授業を実践した。情報収集・討論・討論結果のプレゼンテーション・レポートアウトラインの構成段階までグループ学習を多用し、ピアレビューや修正後の再ピアレビューの活動を重視した。賛否の分かちがたいテーマについて、シンク・ペア・シェア、知識構成型ジグソー法、特派員、ポスターツアー等の方法を採り入れて、15回の授業で４つのレポート課題に取り組んだ。
グループ活動と個別学習を組み合わせたライティング授業を行うことが批判的思考態度の向上に有効か否かを、平山・楠見（2004）の「批判的思考態度尺度」を用いて測定した。その結果、授業の前後において、「論理的思考への自覚」について有意な伸びが見られた（t(27)=2.326、p<.05）。個人やグループにおいて、主張に対応する根拠・理由を結びつけ、証拠（データ）を探したり、グループの仲間を説得したりするような活動が有効であったと思われる。授業終了から１週間後に、６名の受講生に対してひとりあたり60分のインタビュー調査を行った。授業前後の測定、毎回の振り返り、授業終了後のインタビュー調査結果を総合して、批判的思考態度の向上が見られたことが明らかになった。
２年目には、学士課程教育を通して批判的思考を育成する際に課題となる、批判的思考の概念、能力の内容、育成方法についての主要な先行研究を整理し、大学教育におけるコンピテンシーとしての批判的思考の育成課題の検討を行う中で、本授業を実践事例として紹介した。
平成26年度および平成27年度の初年次教育学会ワークショップにおいては、初年次教育の動向、思考力育成の必要性、批判的思考の概念、授業方法の分類についてミニ講義を行い、参加者に模擬授業を体験していただくことで、本研究課題の成果を公開した。
|
