研究目標は,弱視者の「見え」を支援する補視器の開発とした.それは,ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いて装着者の見え方に3つの基本援助:1.視力,2.視野,3.視認(見易さ)を行うものであるとし,HMDの中から,レーザ網膜走査方式が,1.鮮明な画像,2.任意の網膜領域に直接作像出来る,3.眼球の屈折異常に関係しない(フォーカスフリー)の特徴により,弱視者の残存視野を活用する補視器として最適であると結論した.この補視器を利用するためには,弱視状態に合わせて網膜における作像位置や色などの最適調整(フィッティング)が重要となるので,その手法を考察した.
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