研究中のロボットである小型ソーシャルロボット「マグボット」の製作方法を解説した、小池星多著、リクテレコム刊「おしゃべりロボット「マグボット」-ラズパイとArduinoで電子工作」を出版することができた。また、東京都市大学 等々力中学校・高等学校の教科情報の授業においてマグボットを13台使用してプログラミング教育を行った。高校生が4,5人のグループになり,Scratchを使用して課題解決的にマグボットをプログラムした。この授業の調査から以下のことがわかった。1.課題解決型の授業においては適切にリソースにアクセスできる必要がある。今回の授業では教室内に教員,サポーターがいて,質問があったときに適切なアドバイスを適切なタイミングで受けることができた。また,教室内にあるパソコン,マグボット,Scratchも高校生たちが課題を行う進行に合わせて適切なタイミングで適切なリソースにアクセスできた。2.マグボットのプログラミングに用いたScratchは、画面にブロックがプログラムとして可視化できるので画面をグループのメンバーと共に見ることで、メンバー間でプログラムを共有することができた。さらに近くの机の別グループも移動してプログラムを見ることができたのでグループ間でもお互いにプログラムを共有できた。3.Scratchは画面上のブロックを変更することですぐにその結果をロボットの動作として確認することができ、プロトタイピングの道具として機能した。4.授業には大学院生1名と4年性2名が参加し,高校生のマグボットのプログラミングをサポートした。サポーターは高校生の要望をScratchのプログラムとして教えるような「技術的翻訳」を行った。また,サポーターからは,高校生が知らないScratchの機能を高校生に伝えてその機能からマグボットの動作を考えさせる「技術提案」を行った。
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