研究課題/領域番号 |
25350299
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
安藤 公彦 東京工科大学, メディア学部, 助教 (00551863)
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研究分担者 |
稲葉 竹俊 東京工科大学, 教養学環, 教授 (10386766)
井上 智史 駿河台大学, メディア情報学部, 助教 (70339547)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 美術館視察 / 装置作成 |
研究概要 |
本年度は、美術館においてどのような点(作品の情報や経路)を重視し作品を展示しているのか、そして鑑賞者はそれらに対してどのようにふるまっているのかを調査するために、ニューヨーク、ワシントン、パリ、バルセロナの美術館を視察した。 その結果から、1.ほとんどの美術館・博物館において、作品の情報はキャプションか、音声ガイドなどに限られており、音声ガイドを聞くときは作品よりも音声ガイダンスに集中しがちである、2.鑑賞経路が示さされている場合と示されていない場合があるが、経路が示されていない場合には有名な作品のみに集中し他の作品は素通りしがちである、3.鑑賞方略が掲示されることは少なく、鑑賞方略の指導は学芸員による解説に依っている、などのことが判明した。これらの知見から、鑑賞者に対してどのような情報を提示することで、「振り返り」が起こるのか一定の指針が得られた。 伝統的な美術館においては、建物自体が一種の作品の様相を呈しており、IT機器の導入による展示施設の視覚的印象の破壊が懸念される。一方でルーブル美術館では、大日本印刷によるインタラクティブな作品解説装置が導入されており、IT機器の導入手法についての知見を得ることができた。 また、リフレクション装置の実体として、レーザー発振型センサーを用いた入力装置の試作を行った。しかし、表示されたボタンをタッチした瞬間を見極めるのが難しく、ユーザの感覚と動作にかい離が発生することが認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
入力装置の実現において、レーザー発振型センサーのみでの開発は難しいと判断し、接触センサーの導入を検討しており、それによりインターフェイスの開発に遅れが生じている。 そのため発表予定であった学会をキャンセルした。
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今後の研究の推進方策 |
入力装置の開発においては、被膜式の接触センサーやひずみセンサーの導入を検討しており、H.26年度早期に開発の完了を目指し、入力装置について発表および論文の投稿を行う。 解釈情報共有フェーズの設計においては、得られた知見をもとに、展示計画をを行い、本学デザイン学部の教員による評価や、美術館学芸員の評価を得たいと考えている。 H.27年2月には、メディア学部卒業研究において、作品展示を行うため、そこでの解釈情報共有フェーズの導入を目指す。得られた結果から海外発表および、論文投稿を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
レーザー発振センサのみによる入力装置開発が芳しくなかったので、2台目の購入を見送ったため。 エリアセンサに加えて、接触センサーやひずみセンサーを組み合わせることで入力装置を完成させる予定であり、それら装置3セット、装置を管理するサーバー、制御用のノートPCを購入する。 また、学会での発表を予定しており、その参加費用及び旅費として使用する。
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