研究課題/領域番号 |
25350304
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
金平 蓮 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (80262947)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 教授学習支援 / 情報提示と訓練 / 医療機器の操作法 / 実践型eラーニング / マルチメディアと教育 / スキルサイエンス / デジタル教材 / 医学工学 |
研究概要 |
医療現場では様々な医療機器が使用され、これらを専門に扱う臨床工学技士が業務を行っている。臨床工学技士の育成において、限られた時間の中で、数多くの医療機器の原理や操作法を習熟することは難しく、実機器による練習時間も少ないため、学生らの理解は十分とは言えない、病院実習では知識不足と感じた人も少なくないのが現状である。 本研究では今までの教育訓練システムの研究開発技術を活かし、情報科学と工学技術を融合し、実装置を準備することなく、低コストで、作業を模擬体験、繰返し練習することができるコンピュータ教育訓練支援システムを提案した。 初年度では、医療の現場に立つときにまず何が求められているかを知るため、現場経験のある臨床工学技士にアンケートに協力して頂いた。臨床工学技士の業務に最も関わりの多い医療機器の操作法習得における問題点を確認し、システムの開発に訓練内容及び項目を明確にした。調査結果を踏まえて、人工呼吸器の学習効果向上を図る教育支援システムの研究として、人工呼吸器のモード決定法およびトラブルシューティングの2つ課題に絞った。そこで学習訓練用のデジタル教材をまとめあげ、それらを一問一答方式にしたり、簡易な解説を載せたり、動画や音声を用いてパソコンや携帯端末から学習できるシステムの構成を提案して試みた。 さらに、人工呼吸器をモデル化して、機器の特徴を把握し組立法や操作法を学習できる学習訓練の教材を開発している。機器のモデルを立体的に作成し、部品の構造や配置位置及び組立順を理解しやすく呈示する。そこで、コンピュータグラフックスとモデリングのシースルー表現やモデルの任意回転及び視点移動、及びアニメションなどの技術を用いて、実際には目で見えない機器内部を立体的にリアルに表示できるようにソフトウェアを開発し、モデル表現と情報提示を融合した訓練環境を構成している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では研究計画通りにまず臨床工学技士の業務に最も関わりの多い医療機器のアクシデントや操作ミスによる事故を確認して、事故防止のためトラブルシューティングの教示法と訓練項目を確立した。 本研究では現状の教科書による知識教授、及び実機器による技術実習の支援システムとして、コンピュータシミュレーション技術を用いた臨床工学技士教育訓練システムの構築を行っている。そこで、代表的な医療機器をモデル化して、機器の特徴を把握し組立法や操作法を学習できるデジタル教材を作成している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、医療機器の操作法の教示と訓練を中心課題として提案とシステムの構成の研究展開を進めてきた。 本研究では今後の推進方策として、マルチメディアを活かした実践型eラーニングを用いることで、より効率的に学習訓練を行えるシステムの構築を行う。そこで、知識習得の文章の説明を読むだけではなく、学習と操作の内容と応じて質問を答えたり、リアルタイムに正誤判断を受けたり、理解を深めることができる。また、教育訓練支援システムを用いて、文字だけでなく、図形や映像、音声などを利用した操作法の教示により、目を使った学習だけでなく耳も使って体験することで、より有効な学習と訓練が期待できる。 システム構築にあたって操作訓練の教示データが必要である。そこで、熟練技士の操作を記録、測定し、定量化することによって、学習訓練の指標を決定する。学習者が視覚情報だけでなく、安全操作を体験しながら、スキルアップできる訓練システムと開発を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
ソフトウェアを購入する予定だが、現在のPCシステムに対応できるものがないため、次年度に購入予定。 ソフトウェアの購入に使用。
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