研究課題/領域番号 |
25350307
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
照井 雅子 近畿大学, 理工学部, 講師 (70610525)
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研究分担者 |
野口 ジュディー津多江 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (30351787)
宮永 正治 近畿大学, 公私立大学の部局等, 講師 (50467536)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ESP / 専門分野別英語 / コーパス / ジャンル概念 / 教材開発 / ELF / 国際共通語 / 国際情報交換 |
研究実績の概要 |
ESP (English for Specific purposes, 専門(分野別)英語教育)は、その重要性が指摘されながら、理論と実践の普及が未だ十分とは言えない。この問題の1つの解決方法として、最新のESP教授法を用いた教材作成モデルを確立することがあげられる。 本研究は(1)英語運用能力の高い社会人の日英翻訳データベースを構築し、当該データを分析することで、ESPが拠り所をとするジャンルの概念を英語学習者が獲得することによって学習効果が高まることを調査・検証する。(2)その知見を活かし、大学や大学院で活用できる汎用性のあるESP教授法を確立させることを目的とする。 初年度は(1)について、本研究分担者2名および協力研究者1名が現在講師を務める私立英語学校の協力を得て、英語運用能力の高い社会人の日英翻訳データベースの構築に着手した。(2)については、日英翻訳を専門に学び、修士号を取得できる米国カリフォルニア州にあるモントレー国際大学院大学の修士課程の教員(英語母語話者および日本語母語話者)2名の授業を見学し、多様な言語的背景を持つ受講生6名を選び、各1時間の面接調査を行い、研究データを収集した。 今年度は、(1)については、初年度に着手した英語運用能力の高い社会人が2009年度から2014年度までの6年間に取り組んだ日英翻訳のデータベース構築の完成をみた。(2)についても、多様な言語的背景を持つ受講生6名の各1時間の面接調査の音声データをすべてテキスト化できた。また、本研究の成果中間発表として応用言語学世界大会(AILA World Congress 2014)にて口頭発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本の英語学校の英語運用能力の高い社会人の日英翻訳データベースおよび米国の大学院で学ぶ多様な言語的背景を持つ受講生6名の各1時間の面接調査の音声データのテキスト化には、当初の予想をはるかに超える労力と時間がかかったが、いずれも完成をみたため、今後は当初の予定どおり、分析を行い、国内外で成果発表を行う。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定どおり、収集した膨大なデータの分析を行い、国内外で成果発表を行う。その中で、日本の英語学校と、米国の大学院における日英翻訳教授法の相違点や課題についてまとめる。これらの知見に基づき、ジャンル概念を獲得することによる学習効果を証明する教材開発に取り組む。日英翻訳は、英語運用能力が高くなければ難しいが、そうした高い英語運用能力を持つ受講生の日英翻訳データベースや面接調査の分析を通し、一般的な大学生のライティングの教授法にその分析を活かすことを目標の1つとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
1)年度の支出算定時期を過ぎ、アルバイト謝金の請求が未精算のため。
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次年度使用額の使用計画 |
1)データベース(コーパス)構築には、アルバイトの協力を得たが、謝金の支払いが年度をまたいだため、来年度初めに精算する。
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