(1)「根拠産出トレーニング」の効果に関する妥当性の検討 開発された「根拠産出トレーニング」に対して,同等の介入を比較した検討を行う必要があった。そこで,作文前に書き手のイメージ喚起を支援する介入である「連想」(平山 1994)に着目し,連想産出を促す群(対照群)を設定し,「根拠産出トレーニング」の効果について検討した。大学生55名を対象として実験したところ,連想産出を促す群と比べて,「根拠産出トレーニング」を受けた群において,根拠を考える力がより促進されることが示された。 (2) 意見文生成指導に「根拠産出トレーニング」を位置づけることの効果の検討(大学生) 紙ベースでの「根拠産出トレーニング」を利用した意見文生成指導を,大学生51名を対象に5回分(1コマ90分×5日)実施した。今回は,意見文の構成要素(主張―根拠―裏づけ)に関する指導ののち,「根拠産出トレーニング」を実施した。その結果,トレーニング前に生成された意見文は平均156.2字であったのに対し,最終的には,平均266.0字へと文量が増加した。 (3) 意見文生成指導に「根拠産出トレーニング」を位置づけることの効果の検討(高校生) 紙ベースでの「根拠産出トレーニング」を利用した意見文生成指導を,高校1年生120名を対象に5時間分(1時間50分×5日)実施した。今回は,意見文の構成要素(型,主張―根拠―裏づけから構成される)に関する指導ののち,「根拠産出トレーニング」を実施した。
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