研究課題/領域番号 |
25350311
|
研究機関 | 九州情報大学 |
研究代表者 |
合田 和正 九州情報大学, 経営情報学部, 准教授 (50320396)
|
研究分担者 |
峯 恒憲 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 准教授 (30243851)
石岡 恒憲 独立行政法人大学入試センター, その他部局等, 教授 (80311166)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 教授学習支援システム / 学習行動評価 / 学習状況評価 / コメント分析 |
研究実績の概要 |
研究目標: 当該年度は,前年度の試行結果・分析結果に基づき,同傾向学習者の分類と,分類された学習者グループの意味付け・分類結果の検討を行う. 研究方法: 同傾向学習者を分類するために最終成績によるグレード(S,A,B,C,Dがそれぞれ秀,優,良,可,不可で,以下グレード)を用いた.本研究で提案するPCNスコアを用いてグレードを推定した.PCNスコアは記述を要求されたPCNの各項目に適合する内容を適切に書いたかどうかを示す指標である. 研究成果: PCNスコアを用いて,グレードとの相関を求めると,相関がないという結果に終わった.そのため,PCNスコアに関して,上位・中位・下位の学生に分けて,それぞれグレードの推定を実施したところ,PCNスコアが高いほどグレードの推定精度が高くなった.また,最終成績に関して,上位の学生についてはPCNスコアの高低とグレード推定精度との相関があり,下位の学生ではグレード推定精度との相関がなかった.つまり,PCNの項目ごとに指示された内容を確実に書くことでグレード推定精度が向上する.PCNスコアを高める表現や語句は,それぞれの項目に対応した学習者の行動や授業への取り組みなどの学習態度を示すといえる.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
同傾向学習者の分類は,最終成績のグレード(S,A,B,C,Dの5段階,以下グレード)の推定という形で実現できた.推定精度については,改善の余地がある. 分類結果について,分類に用いたPCNスコアとグレードとの直接の相関はなかった.しかしながらPCNスコアとグレードの推定精度との相関があることがわかった.このことから上位グレードの学生は,PCNの各項目に適合する内容を確実に書くことができる(=PCNスコアが高い)注意深い学生であると予測でき,また逆にPCNスコアが高い学生は,その内容に応じてグレード推定の精度が高くなることを示すことができた. 素材となる自己評価記述文については,データ入力が進んでいる.
|
今後の研究の推進方策 |
平成26年度の分析結果に基づき,特定指導内容に適合する学習者群の抽出やその逆の特定学習者群に適合する情報の検索・選択について引き続き検討する. また,入力データおよび派生データのうち,自己評価点や文字数といった未使用の項目との組み合わせについても検討する. さらに,実施期間に得られた成果をまとめ,発表する.
|
次年度使用額が生じた理由 |
国際会議の採択状況や人件費の執行状況によるものである.
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度も計画に基づいて引き続き適切に使用する予定である.
|