研究課題/領域番号 |
25350313
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研究機関 | 東京工業高等専門学校 |
研究代表者 |
市川 裕子 東京工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (10290719)
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研究分担者 |
野口 健太郎 独立行政法人国立高等専門学校機構(教育研究調査室), その他部局等, 教授 (00335100)
村岡 良紀 有明工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (60229953)
安富 義泰 東京工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90506742)
小林 茂樹 長野工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (40321434)
森本 真理 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60369923)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アクティブラーニング / 反転授業 / LMS / 数学と専門科目 / ICT |
研究実績の概要 |
アクティブラーニングを主軸に、各教員が教育実践を行い、その効果の確認をアンケートなどにより行っている。森本は、すべての授業をアクティブラーニング(以下AL)形式で行っており、過去の講義型の授業との比較を試験結果などから解析中である。村岡、小林は、グループワークを取り入れた授業を実施。安富は通常の講義型授業、予習を義務とし授業中は演習を行う授業、プリントを中心とした授業を行っており、プリント中心の授業が評判、試験結果ともに一番高いという結果を得ている。野口は昨年に引き続き、情報提供及び他の分担者のサポートを行った。市川は、ニューヨーク市立大学クイーンズカレッジにおいて、実施されているAL形式授業に参加、教員のLMS や ICTツールの利用やコース当初の授業に関する説明、学生が自主的にプレゼンテーションに参加するための動機付けなど、多くの有用な手法を入手した。その中で、Webworkと呼ばれる、ウェブ上で学生に課題を配布するツールの有用性を感じた。これは同じ問題でありながら、学生毎に数値パラメータの異なる問題が配布されるシステムで、各学生が必ず問題を解かないと答えられないようなものである。学生はインターネットを通じて Webwork にアクセスする。スマートフォンやタブレット、PC などで解答することが可能である。今後このようなシステムを高専における授業に取り入れていくことを検討したい。クイーンズカレッジでは LMS(Blackboard)の利用が普及しており、多くの教員が、Blackboard を通じて資料を配布したり、収集したりしているほか、Web上での議論や、インターネットを通じて、夜間に授業を実施するなども見られた。AL形式の授業にLMSやICTは必ずしも必要ないが、授業時間外でも学生に動機を与えるなど学習効果が上げられる場合もあり、今後実践で検証すべき課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学生に学習の動機付けを行う問題の収集に関しては現段階のもので終了とし、引き続き、アクティブラーニングに活用できる教材の作成、共有をメインに行っている。研究の主軸をアクティブラーニンングにシフトしたことと、代表者市川が1年間研究拠点を学外に移したため、市川は情報収集がメインとなり教育実践の機会がなかったことが研究の遅れの主な原因である。
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今後の研究の推進方策 |
各人が行っているアクティブラーニングによる実践を進めるとともに、中で手応えのあった方法、教材、あるいは失敗であった事例などを共有し、質の向上や普及のために研究集会を開く。 また、アクティブラーニングによる授業においては、プリントなどグループワークを効果的に行うための教材、授業時間中にアクティビティの時間を確保するためのに必要な反転授業用の教材など、講義型で行う通常の授業とは異なる教材が必要である。これらの教材を共有することにより、教員の教材作りにおける負担を減らすことができる。教育実践の中で実際に行った経験から教材共有のノウハウをまとめていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
市川が一年間研究拠点を学外に移したので、打ち合わせをメールやインターネット上でのやり取りで行った。このため打ち合わせ旅費が必要なくなった。また、研究の主軸をアクティブラーニングに変更したため、コンピュータ関係の作業を依頼する人件費が必要なくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
アクティブラーニング実践に関する研究集会を開く。その運営費に充当する。
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