研究実績の概要 |
本研究を構成する3つのサブテーマについて、H26年度の実績を報告する。 「(1)映像表現に関する学習項目の設計」については、前年度の研究成果を基に、「映像制作の基本は複数のカットを組み合わせ, 意図したメッセージを明確に伝えること」として、3つの学習項目を選定した。すなわち「状況説明カット」、「サイズの組み合わせ」、「カット割り」である。 「(2)ワークショップ・プログラムの開発」については、上記学習項目を学ぶ240分間の学習プログラムの提案と評価を行った。開発した映像制作学習プログラムと、学習手法を変えた自習型, 受動型の映像制作学習プログラムを映像制作経験のない大学生・大学院生を対象に実施した。 これは, 能動型の参加者が演習を通じてカット割りを理解し, 複数のカットを組み合わせて表現するようになったことを示唆していると考えられる. 状況説明カットやサイズの組み合わせも理解したことで, 各カットの内容を単純化し, 複数のカットを組み合わせることで表示時間が短くても視聴者に内容が伝わると参加者が理解できたため, 1カットあたりのカットの長さを短くできたからだと考えられる. また, 今回の映像制作学習プログラムは, 120分間×2回という短い期間で実施することできた. この規模であれば, 中等教育における情報科目の授業時間の中で実践が可能であると考えられる. 「(3)映像表現用デジタル教材の開発」については、電子出版や電子書籍に関する文献調査を行った。その結果、映像表現を学ぶための教材としては、紙の書籍のデータを電子化するレプリカ型電子書籍ではなく、映像や音声の表現力を有する拡張型電子書籍が適していると判断した。
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