研究課題/領域番号 |
25350318
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
高橋 薫 東洋大学, 国際センター, 講師 (70597195)
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研究分担者 |
山内 祐平 東京大学, 大学院情報学環, 准教授 (50252565)
藤本 徹 東京大学, 大学総合教育研究センター, 助教 (60589323)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | キャリア学習 / 進路選択 / ソーシャルメディア / 半構造化インタビュー |
研究概要 |
本研究ではソーシャルメディアを活用したキャリア学習支援の経年的評価を行う。 東京大学ベネッセ先端教育技術学講座(BEAT)では、平成23年度、および平成24年度に、高校生を対象としたキャリア学習支援プログラム「Socla(ソクラ)」を実施した。本プログラムでは、ソーシャルメディアのひとつであるFacebookを活用し、対象となる高校生と彼らのロールモデルとなる支援者とをつなぎ、高校生に自らの進路を考えてもらうプロジェクト学習を行った(本プログラムは平成24年度で終了)。 平成25年度はこれまでの取り組みを査読誌に投稿し、2つの論文が採択された。ひとつは、参加者のひとりに活動の前後にPAC分析を行った研究で、活動前は自分の将来の夢と実際の進路選択を分けてとらえていたものの、活動後にはそれらが統合されており、キャリア観を大きく変容させていることが明らかになった。もうひとつは、参加者に質問紙調査と半構造化インタビューを行った研究で、活動を通して進路に対する不安感を軽減させ、進路選択自己効力を高めていることが確認された。 また、平成25年3月からSoclaの修了生は、順次高校卒業を迎えていく。そこで、大学に進学した修了生に対して半構造化インタビューを実施し、彼らがSoclaの活動をどのように意味付けているか、本活動の経年的評価を行うこととした。今年度は、Soclaの修了生で平成25年4月に大学へ進学した学生のうち、インタビューの承諾が得られた修了生に対して平成26年2 ~3月に半構造化インタビューを行った。現在は、インタビューデータを書き起こし、プロトコル分析を進めている。今後は引き続き、平成26年4月に大学へ進学した修了生に対してインタビュー調査を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの活動の評価を行った研究論文は2件査読誌に採択され、出版された。一方、研究代表者が年度の途中で所属機関を変わったことから、科研費の移管が完了するまでの間、研究費を支出することができず、結果的に修了生へのインタビューは平成26年の春休み期間中に実施することとなった。インタビューの時期は予定よりもずれ込んでしまったが、修了生は大学生活を1年終えたところであり、高校時代の活動を振り返り進路選択についての語りを引き出すにはちょうどよいタイミングであったと感じている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年4月に大学へ進学した修了生については、夏休み以降に順次インタビューを進め、それと平行してプロトコルデータの分析を進めていく。また、得られた結果は学会等で中間報告を行い、論文化への示唆を得たいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度の途中で研究代表者が所属機関を変わり、前所属機関の事務手続き上の都合で、研究費の移管が完了したのが平成25年12月末になってしまった。この間は研究費の支出ができなかったために、インタビュー調査やインタビューデータの書き起こし作業への謝金を支払うことができず、年度内の使用額が想定よりも少なくなった。 本残金は、翌年度に現在継続しているインタビュー協力者への謝金や作業従事者への謝金として利用する予定である。
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