研究課題/領域番号 |
25350326
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
今井 亜湖 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (50367083)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | カリキュラム開発 / 教授方略 / 教員養成 |
研究実績の概要 |
本研究は、小学校教員志望学生の授業力の向上を図るために、(1)現職教師が1単位時間の授業を実施する際に用いた教授方略の決定プロセスを明らかにし、教授方略の指標を作成すること、(2)その指標を踏まえた授業設計法を学び、それを実際に活用できる小学校教員志望学生を対象とした教育プログラムを開発することが目的である。以下、平成28年度に行なった活動である。 <1.授業力及び教授方略の定義の見直し>本研究を休止した時期以降に出された文部科学省の答申等の各種資料、および教員養成・教師教育関係の文献調査より、今後の小学校教員に求められる資質・能力について整理を試みた。並行して、小学校教員養成のゴールに位置するH27年度教員採用試験募集資料(全68教育委員会対象)に記述されている求める教師像から授業力に関する言及及びその詳細を調査した。さらに、次期学習指導要領に関する資料や、教員の育成指標に関する先行事例より、今後の小学校教員に必要とされる授業力に関わる事項の整理を試みた。上述した活動より、本研究で着目する授業力とは何かを見直した。 <2.研究目的(1)の教授方略の指標のプロトタイプの作成>上記の活動で見直した授業力・教授方略の定義をもとに、教科を問わず、小学校の教員に必要とされる授業設計に必要な視点および教授方略の決定プロセスに関する仮説を立てた。その仮説をもとに、研究目的(1)の教授方略の指標を作成するための調査対象の見直しを図った。この見直しをふまえ、調査対象の条件を満たしている現職教員一名に対し、インタビュー調査を実施し、その調査結果より指標のプロトタイプを作成した。 <3.研究目的(2)の小学校教員志望学生を対象とした教育プログラムの試行版の開発>上述した指標のプロトタイプをふまえ、授業設計法を学ぶことのできる学校教員志望学生を対象とした教育プログラムの施行版の開発を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の休止期間において教員養成に関わる様々な答申等が出され、教育現場を取り巻く状況が変化しており、学校教員志望学生に求められる授業力とは何かを再度見直す必要があると考え、定義の見直しにかかる資料・文献調査及びその分析を行った。これらの活動は、本年度当初には計画していなかった活動であったが、本研究目的を達成するためには必要不可欠であると判断し、この活動を行った上で、当初予定した研究活動を遂行したため、平成28年度前半に行うべき活動が、平成28年度後半に行わざるを得ず、結果的に進捗状況はやや遅れことになった。
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今後の研究の推進方策 |
教育プログラムの開発手法をラピッド・プロトタイピングに変更することで、平成29年度に教育プログラムの評価を行うことができる見込みがつき、同時に平成28年度に作成した指標の改善も図ることができるため、当初の計画どおり、平成29年度中には教育プログラムを完成できる見込みである。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査が予定どおりに行えなかったため、それにかかる経費がほぼ未使用であった点、さらに予定していた発表ができなかった点の2点が使用額に変更が生じた理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
研究手法の変更を行い、本年度実施できなかった調査は次年度実施することにした。また、今年度発表を見送った内容については、次年度発表ができる目処が立ったため、翌年度分の助成金と合わせた形で研究活動を円滑に遂行できると考える。
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