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2014 年度 実施状況報告書

学校の組織的教育力向上に向けた専門職資本の開発・支援ツールの開発・評価研究

研究課題

研究課題/領域番号 25350329
研究機関奈良教育大学

研究代表者

小柳 和喜雄  奈良教育大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (00225591)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードミドルリーダー / 管理職の役割 / 組織的教育力 / 専門的資本 / 専門的能力 / アセスメント / メンタリング / 学校改善
研究実績の概要

本研究は、「学校の組織的教育力向上に向けて専門(職)資本の開発・支援と関わって、各学校での研修、自治体主催の研修、及び教職大学院等で有効活用できるツール群」をデザインし、その開発及び運用評価を目指している。
平成26年度は、以下3つのことに取り組んだ。1つ目は「管理職によるミドルリーダー支援のための道具の開発」と関わって、25年度に行った管理職へのインタビュー調査から得られたミドルリーダーへの支援行動を、学校規模、学校の研究課題、ミドルリーダーの性格特性などから整理し、道具として使える支援内容の整理を行った(日本教育学会大会の一般研究(九州大学)で成果発表)。またこの道具に盛り込む内容を豊かにするために、英国で行われているミドルリーダー支援の研修プログラムの情報を収集し、その内容の日本語翻訳と整理を行った(日本教育工学会の研究会(明治大学)で成果発表)。
2つ目は、「教員のための知識・技能に関するリフレクションツール調査研究」と関わって、アセスメント・リテラシーに焦点化し、現職教員、教員養成に所属する院生と学生の状況調査を行った。そして、その結果に基づき、各自が専門的能力としてアセスメント・リテラシーをどの程度保持しているかを自己点検評価できるリフレクションツールの開発を行った(日本教育工学会大会(岐阜大学)の一般研究で成果発表)。
3つ目は「学校研究におけるシステム思考の活用研修ハンドブック開発」と関わって、学校における教育実践研究における組織論的アプローチの先行研究のレビューを行い、システム思考を支援するための道具や研修の進め方に関する情報の整理を行った(日本教育方法学会の課題研究(広島大学)で成果発表)。
さらに学校の組織的の取り組みを支援する専門的資本(人的資本、社会的資本、意思決定的資本)アプローチの理論枠を用いて、上記各取り組みの成果のマッピングも進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度の当初計画にある、「管理職によるミドルリーダー支援のための道具の開発」「教員のための知識・技能に関するリフレクションツール調査研究」「学校研究におけるシステム思考の活用研修ハンドブック開発」の3つに関わって、研究を遂行することができ、それぞれその成果を学会発表や論文としてまとめることもできた。計画通りに進んでいるため、概ね順調と判断した。

今後の研究の推進方策

本研究の最終年度である27 年度は、これまでの調査結果(管理職によるミドルリーダー支援の内容、国内外のミドルリーダー支援のプログラム、研究主任を含む各教員が各自に求められる専門的能力を振り返るための資質能力項目、実践研究を進める組織論的アプローチのレビュー結果等)を用いて、研修教材を開発する。具体的には「学校研究においてシステム思考を支援する研修ハンドブックの開発」と「若手支援で求められるミドルリーダーのための知識・技能に関するリフレクションツールの開発」を行う。そして、その成果を公表し、他の取組や研究との交流を深める。また27 年度末までには、開発したハンドブックとリフレクションツールに関わって、学校の研究主任、自治体の研修担当、大学の研究者から評価情報を得、試行運用評価を行う。

次年度使用額が生じた理由

26年度の研究計画では、「教員のための知識・技能に関するリフレクションツール調査研究」と関わって、オーストラリアのヴィクトリア州(e-Potential を開発運用しているオーストラリア教育省(DEECD eLearning Division)へ訪問調査予定であったが、研究成果発表のための国内外出張で研究経費が不足してしまい、旅費が足りず(90000円しか残らずオーストラリアへの旅費には足りなかった)訪問ができなかった。そのため、26年度の90000円を27年度経費に加算し、27年度に訪問調査を実施する計画に変更を考え、残額として計上した。

次年度使用額の使用計画

26年度の残額として27年度へ繰り越した90000円と27年度経費を用いて、26年度調査予定であった、オーストラリアのヴィクトリア州へ「教員のための知識・技能に関するリフレクションツール調査研究」を行う。なお27年度の経費から、上記出張のための旅費を捻出することになるため、以下の工夫をするように計画している。当初27年度計画に計上していた海外旅費をチケット手配の工夫などで、できるだけ安くおさえるように工夫し、当初計画の出張にも影響ができないように支出する予定です。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (5件) (うち謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 4件、 査読あり 3件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 教員養成における質保証の取り組みに関する調査報告2015

    • 著者名/発表者名
      小柳和喜雄
    • 雑誌名

      奈良教育大学次世代教員養成センター研究紀要

      巻: 1 ページ: 261-265

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 汎用的なスキルの育成を視野に入れたナショナルカリキュラム(中等教育)改革に関する研究2015

    • 著者名/発表者名
      小柳和喜雄
    • 雑誌名

      奈良教育大学次世代教員養成センター研究紀要

      巻: 1 ページ: 365-369

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 教師の専門的能力としてのアセスメント・リテラシーに関する予備的研究2015

    • 著者名/発表者名
      小柳和喜雄
    • 雑誌名

      奈良教育大学 教職大学院紀要 学校教育実践研究

      巻: 7 ページ: 63-73

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] イングランドにおけるリーダーシップ研修の取組動向2014

    • 著者名/発表者名
      小柳和喜雄
    • 雑誌名

      日本教育工学会研究報告集

      巻: 3 ページ: 69-74

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 米国におけるProfessional Development Schoolの取り組み動向2014

    • 著者名/発表者名
      小柳和喜雄
    • 雑誌名

      奈良教育大学紀要

      巻: 63(1) ページ: 157-163

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 実践知への組織論的アプローチ2014

    • 著者名/発表者名
      小柳和喜雄
    • 学会等名
      日本教育方法学会第50回大会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2014-10-11 – 2014-10-12
  • [学会発表] 教員養成における質保証の取り組みに関する調査報告2014

    • 著者名/発表者名
      小柳和喜雄
    • 学会等名
      日本教師教育学会第24回大会
    • 発表場所
      玉川大学
    • 年月日
      2014-09-27 – 2014-09-28
  • [学会発表] 専門職資本を磨く要素としてのアセスメント・リテラシー2014

    • 著者名/発表者名
      小柳和喜雄
    • 学会等名
      日本教育工学会第30回大会
    • 発表場所
      岐阜大学
    • 年月日
      2014-09-19 – 2014-09-21
  • [学会発表] Professional Capitalの考え方に基づくミドルリーダー支援の方法2014

    • 著者名/発表者名
      小柳和喜雄
    • 学会等名
      日本教育学会第73回大会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2014-08-22 – 2014-08-24
  • [学会発表] イングランドにおけるリーダーシップ研修の取組動向2014

    • 著者名/発表者名
      小柳和喜雄
    • 学会等名
      日本教育工学会研究会
    • 発表場所
      明治大学
    • 年月日
      2014-07-05 – 2014-07-05

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公開日: 2016-05-27  

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