研究課題/領域番号 |
25350333
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
金西 計英 徳島大学, 大学開放実践センター, 教授 (80204577)
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研究分担者 |
松浦 健二 徳島大学, 情報センター, 准教授 (10363136)
戸川 聡 四国大学, 経営情報学部, 准教授 (20399166)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | e-Learning / クラウド / 情報基盤技術 / データ連携 / メタ情報 |
研究実績の概要 |
本研究は,近年,急速に進む社会のクラウド化を背景に,e-Learning環境のクラウド化を目指すものである.具体的には,e-Learningシステム間のクラウド化と,データ連携のフレームワークの構築を目指すものである.一口にe-Learningと言っても,サービスの中身は,LMS(Learning Management System),eポートフォリオ,教務システム等,幾つかのサービスの組み合わせであり,e-Learningサービスという名前で提供されるようになってきた.システムの数が増えると,サービス間でデータの一貫性を保つデータ連携の問題が顕在化してきた.現状では,システム運用担当者はシステム毎にデータの一貫性を保つっている.こうしたシステム個別の対応は,限界がある.そのため,e-Learningのクラウド化に対応した基盤技術の開発が求められる. 平成26年度は,前年度の研究を受け,e-Learningクラウドのクラウド構築の技術の整理・分析をおこなった.クラウド構築は,幾つかの要素技術の組み合わせから成り立っていることが分かった.こうした技術を,構築対象の現実の状況に合わせ,最適な組み合わせを見つけ出すことがクラウド構築に求められることが分かった.我々は,クラウドの設計を,仮想化された計算資源のプールの構築,仮想化されたストレージの構築,可能化されたネットワーク環境の三つに分けて考えることを提案し,設計方法について検討した. また,データ連携フレームワークの試作システムを作成し,データ連携の評価をおこなった.我々は,現状のデータ連携の方法を整理・分析した.その上で,間接的な方法に基づいて,システムを試作し,評価実験をおこなった.実験の結果,我々の提案した手法について,一定の有効性が認められた. なお,第30回日本教育工学会全国大会,第39回教育システム情報学会全国大会や研究会等において研究成果の公開をおこなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は,おおむね順調に推移しているものと判断する.本研究は三年間の予定で進めるものであり,平成26年度は二年目に当たる.平成26年度は前年度の研究を受け,研究を展開させる期間として位置づけている.二年目を終わり,研究を無事進めることができる,進行状況に過不足はないものと考える. 本家研究は,e-Learningクラウドの構築と,データ連携フレームワークの構築を目指している.まず,クラウドの構築に関しても,平成25年度に集めた資料を整理し,クラウドの構築の方法を分析した.その結果,クラウド構築のために技術的な要素を,計算資源の仮想化,ストレージの仮想化,ネットワークの仮想化の三つに絞りこむことが出来た.実際に設計を進める上で,モデルの分類は重要だと考える.この三つを適切に設計することがクラウドが構築できるものと考える. つぎに,我々はデータ連携についても研究を進めた.データ連携技術の分類,整理をおこなった.データ連携の手法は,概ね四種類に分類できることが分かった.我々は,それぞれの手法について検討をおこなった.その結果,間接的な手法に注目し,実験環境を構築し,実験をおこなった.その結果,間接手法について一定の有効性を示すことが出来た.
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今後の研究の推進方策 |
本研究は,大きくe-Learningクラウド環境の構築と,データ連携のフレームワークの構築という二つの課題の達成を目指す. 次年度以降は,e-learningクラウドの試作環境の構築を進める.平成25年度においてe-本研究は,大きくe-Learningクラウド環境の構築と,データ連携のフレームワークの構築成を目指すものである. 次年度以降は,平成25年度,26年度の研究成果を踏まえ,引き続きe-learningクラウドの構築を進める.平成26年度においてe-Learningクラウドの設計手法を分類,整理した.その結果,クラウド設計のモデル化おこなうことができた.この設計モデルを用いて,クラウドの構築を進める.また,構築した試作クラウドを用いた評価をおこなう.評価に基づき,試作クラウドの設計を見直す.その結果,要素技術の組み合わせの変更や,要素技術の更新の必要性,あるいは設計をやり直す必要が発生すると考えられる.こうしたことは,適切な環境構築のため,実験と結果からの設計見直しといった,研究に求められる試行錯誤の一部であると考える. 次に,データ連携フレームワークの開発をおこなう.平成26年度にシステムの試作をおこない,実験をおこなった.この実験を踏まえ,データ連携手法の検討をおこなう.必要に応じては,実験を重ねる.各種のフィードバックからデータ連携手法の完成を目指す. なお,平成26年度に続き,研究成果に関しては,内外の学会等で積極的に公開に努める.
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