研究課題/領域番号 |
25350338
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
福本 尚生 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60346872)
|
研究分担者 |
古川 達也 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90173525)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 教育工学 / e-ラーニング / 電力工学 |
研究実績の概要 |
本研究は、電力工学に関する教育・学習支援システムを構築することを目的としている。エネルギーシステムに直結した電気工学(電気機器、電力、系統)技術者の不足が問題となる中、これらの教育の強化を図ることは急務であり、未来を見据えた電力工学と知能情報処理技術を融合したマイクログリッドを題材とした教育支援システムの構築を目指す。 平成26年度は、計画にあげていた「電力工学や知的情報処理技術の教育コンテンツの作成」のために、前年度までに構築した「直流電動機・交流発電機の遠隔実験システム」に対する3DCGアニメーションを利用した教育コンテンツの作成を行った。この教育コンテンツも含めて、iPadやスマートフォンなどのタブレット端末からも利用可能としている。 また、計画にあげていた、「電気機器の原理が学べる簡単な実験装置」として、構造を単純化した「模擬誘導モータの遠隔実験システム」の開発を行った。このシステムもWebを利用したe-learning教材として利用可能であり、Webを用いて誘導モータの回転制御・計測実験が可能である。さらに、計画にあげていた、電磁界解析ソフトによってシミュレーションされた結果を、仮想現実として実際の電気機器の動画像に重ねて表示し、電磁界現象の可視化を行うシステムを作成した。ここでは、先の「模擬誘導モータの遠隔実験システム」を対象とし、誘導モータでの回転磁界をシミュレーションし、その結果をアニメーション表示することで、回転原理を学ぶ教育コンテンツの一部としている。 これらのシステムによって、実際の電気機器を主体的に操作・実験し、現象を疑似体験することが可能になり、高い学習効果が期待される。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
電力工学に関する教育・学習支援システムとして、「直流電動機・交流発電機の遠隔実験システム」として、教育コンテンツも含め一つのシステムとして完成することができ、本成果を平成26年5月に広島で開催されたIPEC2014(International Power Electronics Conference)で発表できた。また、「模擬誘導モータの遠隔実験システム」を構築し、学会論文誌等に発表することはできなかったが、電気学会教育フロンティア研究会において報告した。さらに、模擬誘導モータについて、電磁界解析シミュレーションツールで解析した磁界分布などの結果を、仮想現実として実機動画像に重ねて表示するシステムが構築できたが、学会論文誌等に発表するには至らなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度には、これまで構築したシステムを一つのシステムとして統合する。誘導モータについては、模擬誘導モータばかりでなく、実際のモータを用いたインバータ駆動実験等が行えるように拡充を行う予定である。また、構築した教育・学習支援システムとして実際の学生実験などの講義において使用し、その学習効果などの評価を行う予定である。さらに、学会論文誌等での発表が十分でないので、速やかに発表を行う予定である。
|