研究課題/領域番号 |
25350345
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研究機関 | 東北文教大学 |
研究代表者 |
眞壁 豊 東北文教大学, 人間科学部, 講師 (10369291)
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研究分担者 |
島田 英昭 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (20467195)
上松 恵理子 武蔵野学院大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (50594462)
松下 慶太 実践女子大学, 人間社会学部, 准教授 (80422913)
岩居 弘樹 大阪大学, 学内共同利用施設等, 教授 (20213267)
伊藤 一成 青山学院大学, 社会情報学部, 准教授 (20406812)
安藤 明伸 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (60344743)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | デジタルネイティブ / ネットワーク / 学校教育 / 教育の情報化 / コミュニケーション / 学習環境 / 教育方法 / タブレット端末 |
研究実績の概要 |
デジタルネイティブの特長を精査していくための課題として、年度当初の4月~5月に、各研究者の大学の学生を中心に、デジタルネイティブに関するブレインストーミングを行った。その結果を6月15日の会議で共有し、今後の研究の進め方、ならびに研究成果の公表の方向性を確認した。 これらの成果は、2件の学会発表として公表した。まず、デジタルネイティブの特長そのものについての考察である。昨年度から続いている会議での内容も含め、結果としては安易に厳格な定義付けをすることは避けたほうが良いという方向性は変わらず、デジタルネイティブネイティブの特長(特徴)を随時アップデートしなければならないという考えが示され、またデジタルツールの教育的な文脈における意図的な使用は避け、さりげなく触媒として使うなどの考えを示した。 もう1件は、ブレインストーミングの成果である。テーマの設定をシンプルにし、またKJ法による特徴抽出を試みた。各大学における特徴の抽出においては、「人間の特性」や「使われる道具の変化」といった、人、モノ等、方向性にばらつきが出た。 総じて、2001年にM.Prenskyが当時提唱した「デジタルネイティブ」に対して、現代考えられるデジタルネイティブの定義は、違うということになる。また、現代におけるデジタルネイティブの特徴(特長)の抽出にあたっては、そのブレインストーミングのテーマの設定のみならず、方法やルールの厳格化をするなど、より分析しやすい出力が得られる方法で行わなければならないという反省も得られた。 また次年度に向けて、小学校のクラス2人に1台で使える台数分のタブレット端末(iPad)を購入し、北海道の小学校にて年度末から運用を開始したところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の申し送り事項としていた、「デジタルネイティブの学習者にデジタルデバイスを与えることが策として正しいかどうか」に関する事項については、制約を極力取り払ったデジタルデバイス環境を与えてみないと、研究側も考察が進まないと判断し、まず先に教育現場へのデジタルデバイス環境の導入を行った。即ち、当初計画では、「事前に仕掛けを考案して教室に持ち込む」ことを想定し、3年目に実践授業を実施する予定だったのだが、まず学校教育や学習者自身が望む環境を想定し、結果として「あるべきものが無い」という状態を可能な限り解消した環境による、デジタルネイティブの学習者と、教育者である教師、そして学校そのものにとって望ましい学習環境とは何かを考察するために、先行して環境を整えたところである。 デジタルネイティブの特長(特徴)の考察に関する研究成果の進捗状況も、当該年度において学会で報告したところであり、当初の計画からは多少異なる進捗の結果とはなったものの、全体的に見て遅れているということも無いと判断する。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は最終年度ということもあり、本研究課題である「デジタルネイティブの特長を伸ばす学習環境のデザインと実践」に関する3年間のこれまでの各研究協力者の知見をまとめ、報告書の執筆を中心に進める。また、既に本課題によって導入されたデジタルデバイスを活用している、北海道の小学校へ複数回赴き、実践記録、インタビュー調査、アンケート調査などを行いデータを集め、またこれらの分析を行うことで、本課題の題名にもあるデジタルネイティブの特長を伸ばす学習環境を提案できるよう成果をとりまとめる。 これらの執筆や実践調査研究に関する進捗や、成果物に関しても、随時年度内あるいは年度全体の報告書として発表・公表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、北海道の小学校へ導入するための、相当台数のタブレット端末(iPad Air)の購入を行ったことで、比較的規模の大きい支出となった。このタブレット端末の金額が、当初予定していた購入価格から変動したことにより、残額が発生した。 また、各研究協力者においても、若干の残額が残ったことにより、表記の次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
残額自体は、大きな金額ではない。当課題では、北海道の小学校への視察や、学会等に参加するための旅費に関する支出が常に発生しているので、基本的に旅費に充てることで計画する。
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