研究課題/領域番号 |
25350353
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
谷口 哲也 北里大学, 一般教育部, 准教授 (10383556)
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研究分担者 |
中村 泰之 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (70273208)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | stack / マスバンク |
研究概要 |
本研究では,STACKによる数式入力解答方式のオンラインテストのための問題を効率的に蓄積していくことのできる問題データベースシステムとしての問題バンクの構築,そして,それらの問題の受験データをもとに,問題バンクを進化的に更新していくことのできるシステムの構築を目的としている。その目的を達成するプロセスとして,我々は,次の3段階を考えている。 Collect:データベースとしての問題バンクシステムの構築と,STACKの問題の収集・蓄積、Use:問題バンクに登録された問題を実際に受験に用いることによる,受験データの収集とその解析、Build:受験データの解析を基盤にした問題バンクの再構築,すなわち進化的構築 平成25年度の研究実績の概要は以下の通りである。3段階のプロセスのうちの Collect(コレクト)(問題バンクシステムの構築と,STACKの問題の収集・蓄積)を実行していくために,具体的には次のことを実現した。適切な認証のもと,誰でもSTACKのオンラインテストの問題を登録でき,誰でもそれを利用・受験することのできるデータベースシステムとしての問題バンクの構築を行った。STACKは Moodle のプラグインとして動作するので,データベースシステムも,Moodle 上に構築することが適切であると考えられ,認証も Moodle のユーザ認証を利用することができるようにした。ただし,適切な認証のもと誰でもSTACK用の問題を登録・利用することができるようにするためには,インターフェースはできるだけシンプルなものとし,問題を登録するためには,「問題名」,「問題カテゴリ」,「利用範囲」の最小限の情報とともに,XML形式でSTACKの問題をアップロードするような運用を実行している。利用範囲(個人利用,許可制利用,完全公開)などを明確にすることにより,著作権の処理を行いやすくなると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,次の3段階を考えている。 Collect:データベースとしての問題バンクシステムの構築と,STACKの問題の収集・蓄積、Use:問題バンクに登録された問題を実際に受験に用いることによる,受験データの収集とその解析、Build:受験データの解析を基盤にした問題バンクの再構築,すなわち進化的構築 そのうち、平成 25 年度は Collect を実行する計画であったが, 概ね達成された。
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今後の研究の推進方策 |
26年度の研究計画・方法は,STACKの問題の蓄積を継続するとともに (Collect),すでに登録されている問題を実際に受験に利用し,解答データを収集していくこと (Use) に重点を移していく。次年度に計画している,項目応答理論を利用した解答データの解析のためには,できるだけ多くの受験データが必要となるが,これを実現するには,ユーザ登録することなく,ゲストユーザとして受験が可能であることが望まれる。一方で,ゲストという統一的なユーザではなく,自動的に一時的なユーザ ID を割り当てることで,各受験データを区別していく必要がある。 27年度の研究計画・方法は,これまで蓄積された問題データ,またそれぞれの問題の受験データを元にして,問題バンクを再構築,つまり進化的に構築する段階(Build)に入る。具体的には,各問題の正誤データを元に,項目応答理論を適用し,難易度の判定を行い,登録された問題群を難易度別に再分類することなどを計画している。そして,STACKはポテンシャル・レスポンス・ツリーという機構を用いることにより,学生の多様な解答に対して適切なフィードバックを与えることが可能であり,解答履歴を元にして,どのポテンシャル・レスポンスに相当する解答が提示されたかを解析することにより,典型的な誤答例,あるいは部分正答例を拾い上げることができる。そのような典型的な誤答例,部分正答例を含む選択肢を構成し,多肢選択問題を作成することができれば,数式を入力することが困難なタブレットやスマートフォンなどの携帯情報端末からも解答が容易な問題として提供することが可能となる。最終年度では,これを実現していく計画である。
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次年度の研究費の使用計画 |
旅費が予想よりも低かったため。 来年度の旅費に充当する。
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