研究課題/領域番号 |
25350360
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
吉田 広毅 常葉大学, 教育学部, 教授 (40350897)
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研究分担者 |
中山 晃 愛媛大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (70364495)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 交流学習 / ファシリテーション / 学習不安 / オンライン学習 |
研究実績の概要 |
研究2年目であった平成26年度には、当初の計画通り、交流学習を試行した。具体的には、SNSを活用して、韓国語を学習している日本の大学生と日本語を学習している韓国・済州大学の大学生とがオンラインで協働する学習を実施した。ここでは、日韓の学生がまず相互を知るためにビデオで自己紹介をしたり大学紹介をするところから始め、最終的には相互にテーマ設定をしてそのテーマを追究した。学生が交流学習を行っている間、教員は場の調整や学習者の動機づけ、スケジュールや学習の管理などのファシリテーションを行った。 また、交流学習に際しての適切かつ有効な支援としてのオンライン・ファシリテーションの手法を検討した。まず、平成25年度に学習者の交流学習不安を自由記述によって集め、KJ法により分類、数量化Ⅲ類によって類型化することで、コンピュータ不安、オンライン学習不安、コミュニケーション不安という3つの背景要因と13の交流学習不安項目を明らかにした。これを基に、平成26年度には交流学習を体験した学習者がどのような教員の指導・支援を望むかを自由記述で尋ね、結果、交流学習で利用するシステムの操作方法や、交流が停滞した際の交流促進を望んでいることを明らかにした。これらの結果をもとに、ファシリテーションを1)アイスブレーク、2)学習の動機づけ、励まし、3)学習管理、4)方向性の示唆や修正の助言、5)技術的問題についての助言・支援の5つに分類した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画の通り、平成26年度には前年度の環境調整と課題検討を基に、交流学習を試行するとともに、学習者に対する適切かつ有効な支援の手立てとしてのオンライン・ファシリテーションの手法を検討した。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度には、当初の研究計画通り、交流学習を実施するとともに、どのようなファシリテーションが、いかなる不安を抱える学習者を援助し、協調的コミュニケーションを促進し得るかという問題を扱う。すなわち、学習者不安の相違に応じた、特定化されたファシリテーションが効果的に働くことを実証実験によって検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定では、分担研究者、連携協力者と研究の打合せを行うことを目的として、静岡-済州島間を複数名で2回往復することを予定していた。しかしながら、実際には済州島在住の連携協力者が平成26年度中に二度、別用で日本を訪問する機会があり、その機会を利用して打合せを行った。そのため、旅費関連の支出が当初予定より減少したことで、次年度使用額が生じた。なお、予定されていた打合せ自体は計画通り行われ、その結果として当初予定通りの計画で研究を遂行している。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、予定している研究のための打合せを計画通りに実施するとともに、前年度の研究成果を発表するため、学会発表の場に積極的に行くことで予算を有効活用したい。特に、今年度は交流学習の本格実施を予定しているため、分担研究者、連携協力者との連携をこれまで以上に密にとりながら研究を進める。
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