研究課題/領域番号 |
25350367
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 国際学院埼玉短期大学 |
研究代表者 |
田中 功一 国際学院埼玉短期大学, その他部局等, 准教授 (10413006)
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研究分担者 |
小倉 隆一郎 文教大学, 教育学部, 教授 (60177201)
中平 勝子 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (80339621)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 潜在保育士 / ピアノ / 童謡 / eラーニング / SNS / モバイルラーニング |
研究概要 |
保育士不足は深刻な社会問題であり、資格を有するが就労していない保育士を再就職につなげる研修プログラムの策定は国の課題である。音楽表現領域では、離職して音楽活動から離れると実技技能は次第に低下し、再就職の足かせの一因になると考えられる。この問題解決のため、ア)再就職希望者を音楽表現の魅力に引き込む仕組み作り、イ)再就職希望者の音楽技能を支援するeラーニング構築、ウ)再就職希望者・施設・養成校によるコミュニケーションの場作り、以上を課題とし、その解決方法として、1)教員らによる実演映像の提示、2)学習者が自身の実演映像を振り返るモバイルラーニング、3)演奏を主題としたSNSによる交流、以上を特長とするプログラムを構築し、養成校での運用及び検証と評価を経て公的研修プログラムへの支援と参加を目指す。 潜在保育士を再就職につなげる研修プログラムの必要性は国も認めているが、現状では研修プログラムへの参加者数は十分ではなく、今後は研修希望者の募集方法に工夫が求められる。本研究が明らかにしたい再就職への目覚め(再就職への意欲向上)と音楽技能の再獲得の2点について次に示す。第一に、教員らによる実演映像の提示は、講座案内に先立って実施することで職場復帰の契機になると捉えたが、潜在保育士にとってこのことがどのように受け留められたか、またそのことが職場復帰を考え、講座案内へ向かう契機になったのか。第二に、離職して次第に低下する傾向を有する音楽技能が、潜在保育士にとって再就職を躊躇する要因になると捉えたが、音楽技能の再獲得に伴って再就職の意識がどの程度変化するのか。また、音楽技能を再獲得する方法として、実演映像で振り返るモバイルラーニングの効果はどの程度であるか。以上について明らかにしたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各県の保育士・保育士支援センターへ依頼する「潜在保育士職場復帰プログラム支援のご提案と研究調査に関するお願い」を作成した。その一部に含まれる「潜在保育士向けアンケート」について、H26年3月にアンケートの方向性を示した。イメージ画像と音楽クリップ制作について検討し、最終的にH26年3月に制作会社を内定した。 コンテンツ制作について、1)教員の実演映像の提示は、楽曲のビデオ収録を実行中であり、一部をYoutubeに掲載し、Webサイトへの掲載を進行している。2)学習者用モバイルラーニングの開発は、演奏自動評価を実装したシステムの開発が順調に進んでいる。3)学習者間のSNS構築の3点については、科研費基盤(C)課題「モバイルラーニングによる実技教育の振り返り学習」(22500952)の成果プログラムをWeb上で再開した。 以上の通り、交付申請書に提示した全項目について進めてきたが、H25年度の検討結果が3月に至り、その結果、分担者2名への代表者からの提示が遅れたため、分担者の予算執行が遅れた。全体としてはやや遅れる結果に至った。
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今後の研究の推進方策 |
H26年度前期の計画は、概ね交付申請書に沿って考えている。具体的には、1)H26年6月に映像と画像収録実施、2)同年6月に潜在保育士向けホームページの作成、3)同年6月末に各県の「保育士・保育所支援センター」向け企画書におけるアンケートの作成、4)保育士支援Webサイトの立ち上げとコンテンツの掲載、5)同年7月に各県の「保育士・保育所支援センター」へ企画書を郵送、以上となる。
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次年度の研究費の使用計画 |
交付申請書に提示した全項目について進めてきたが、H25年度の検討結果が3月に至り、その結果、分担者への代表者からの提示が遅れたため、分担者の予算執行が遅れた。具体的には、実験用Webページの仕様を確定しきれなかったため、その分が継続課題となった。そのため、その成果発表に必要なサイト構築および成果発表旅費を使用しなかった。 H26年度は可能であれば実験環境構築および成果発表旅費に充てるように考えている。
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