研究課題
[1.潜在保育士職場復帰プログラム支援企画の実施結果] 潜在保育士に対する弾き歌い等の実演画像や映像の提示により職場復帰の契機が提供されるというコンセプトで構成した。この企画の実施について行政担当者全国70カ所へアンケート紙による回答を依頼した。集計結果は70件中80%の56件から返信がなく回答が得られなかった。回答を得た14件の内訳は「1.本取り組みに興味があるか」、「2.環境が整えば本取り組みを導入したいか」、「3.平成27年度に本取り組みの導入を検討したいか」の3つの設問に前向きな回答は皆無であった。行政担当の本企画に対する興味・関心は得られず、音楽動画の導入が直接的に潜在保育士の行動が変容する契機となるまでは期待されていないことが明らかにされた。[2.Web情報活用の提案] Webからの情報獲得と読譜計測により、潜在保育士への情報の提示方法の検討の重要性が確認できた。保育者の情報獲得の傾向が示され、その中で情報提示の順番の重要性、スタッフの声への関心の高さ、勤務地に関わる地域性において保育者の関心が示されることがわかった。潜在保育士に対する情報提示は、情報提示ツール、情報デザイン、提示情報の厳選が必要であると考えられる。併せて、同じ境遇にあるもの同士の「情報交換や学びの場の提供」の必要性も示された。[3.ピアノ独習eラーニングによる自学方法の提案] 潜在保育士が抱くと思われる不安要素の一つとしてピアノ技能を取り上げ、その不安を軽減するeラーニングを提案した。構成は演奏イメージと運指(fingering)を学ぶビデオ、そしてお手本演奏と自分の演奏を比較する「演奏見える化」による自身の演奏の振り返りから成る。最も効果が期待できるのは「情報交換や学びの場の提供」においてピアノ技能の不安が示された際の対応という位置づけとなることが明らかとなった。
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すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
日本電子キーボード音楽学会 電子キーボード音楽研究
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日本教育工学会研究報告集
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文教大学教育学部紀要
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ヒューマンインターフェース学会論文誌
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http://www.amy.hi-ho.ne.jp/pf-tanaka/kaken2015.pdf