研究課題/領域番号 |
25350370
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 木更津工業高等専門学校 |
研究代表者 |
山下 哲 木更津工業高等専門学校, 基礎学系, 教授 (40259825)
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研究分担者 |
北原 清志 工学院大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (90133321)
前田 善文 長野工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (60249787)
碓氷 久 群馬工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00280355)
阿原 一志 明治大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80247147)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 教材情報システム / 作図プログラミング書法 / TeX / KETpic |
研究概要 |
[I]効果的な挿図教材の要件と利用しやすい作図方法を明らかにするために、「挿図教材の利用とその作図方法について」というアンケートを作成中である。2008年に「授業での図の利用について」というアンケートを全国各高専の数学教員に実施し、2011年に東邦大学教養紀要第42号に「授業での図の利用に関するアンケート調査について」として掲載された。これを踏まえて、今回のアンケートは各大学の初年級の数学を担当している教員を対象にして質問項目を検討中である。来年度早々に作成して、アンケートを実施する予定である。 [II]symbolic thinkingを基盤とする作図プログラミング書法を確立するために、数学教員2名を選定し、その作図プログラムを検討した。最初はプログラミングの知識がほとんどない数学教員であり、作成した51個のプログラムについて綿密に調査・分析した結果、作図プログラミング書法の要件が9件見つけられた。次はプログラミングが得意である数学教員であり、作成した53個の作図プログラムについて綿密に調査・分析した。さらに、両者の作図プログラムの特徴を比較して、プログラミング能力の有無が大きく関与していることが明らかになった。また、9つの要件のうち、作図プログラミングを習得しようとする意志や微調整して最適な図を作成しようとする意志にも大きく関与していることがわかった。 [III]挿図教材作成支援ポータルサイトシステムを構築するために、仕様の大筋を検討し、以下のwebサイトを立ち上げた。 http://www55.atwiki.jp/ketpic/ 当面は本サイトの充実を目指し、KETpicによる作図プログラミングに寄与できるポータルサイトシステムの仕様を確定していく予定である。 [IV]IIで記した作図プログラミング書法の9つの要件について、国内の研究集会2件、国際会議1件で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の主な目的は、作図プログラミング書法を確立することと、挿図教材作成支援ポータルサイトシステムを構築することである。作図プログラミング書法の確立については予定通りに調査・分析が進んでおり、挿図教材作成支援ポータルサイトシステムについても大筋の仕様が決まり、仮システムを立ち上げることができた。ただし、上記2点の作業に時間を要したため、当初予定していたアンケート「挿図教材の利用とその作図方法について」の作成が遅れており、その点で完全に予定通りに進展しているとは言い難い。しかし、それほどの遅れではないため、来年度にはさらなる進展が期待できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
[I]「挿図教材の利用とその作図方法について」のアンケートを作成し、各大学の初年級数学を担当している教員を対象にアンケートを実施する。また、挿図教材を作成している数学教員を対象に同様の内容でインタビューを実施する。 [II]いろいろな数学教員による作図プログラムを綿密に調査・分析して、作図プログラミング書法の要件を確立する。 [III]現在、仮で作成した挿図教材作成支援ポータルサイトシステムを試運転しながら、本システム構築へ向けての仕様を確定する。 [IV]上記I~IIIで得られた成果を国内の研究集会、国際会議で発表する。また、これらの成果をまとめて、論文誌に掲載する。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費の残額50,000円は予定していたタブレット端末の代金に足らず、購入できなかったため生じた。旅費の63,637円は、挿図教材利用に関する数学教員へのインタビューと松江高専で開催されたKETpic教材作成全国ワークショップに参加する予定であったが、いずれも都合がつかなかったため生じた。 今年度購入できなかったタブレット端末を今年度の分担金との合算で購入する予定である。また、今年度実施できなかった数学教員へのインタビューやアンケートを中心に活動する予定である。さらに、今年度もKETpic教材作成全国ワークショップを予定してるので、旅費の残額を助言者1名分の旅費として使用するつもりである。
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