国内各地で調査が進む、生産遺跡、鉱山遺跡から得られる製錬スラグ、鉱石等について科学分析(鉱物同定、化学組成分析、組織観察、鉛同位体分析など)を行う事で、日本の古代~近世における非鉄金属製錬(金、銀、銅、鉛、錫)技術の体系化と評価指針の提示を目指した。 日本の製錬技術の革新が行われた石見銀山では、銀鉱石に鉛を加えて一次製錬を行うことで銀の生産性を高めていた事が分析データより裏付けられた。また、鉛の供給元となった鉱山を鉛同位体分析値から推定した。これらの手法が、日本の金属製産における原料の産地、製錬プロセス、原料及び製品の流通を把握する上で、有用であることを示した。
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