研究課題/領域番号 |
25350395
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
内川 隆志 國學院大學, その他部局等, 准教授 (80176677)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 地域文化遺産 / 紀の国屋 / 大蔵 / 佐山家文書 / 紀陶社 / 箕島陶器商人 / 佐原 / 重要伝統的建造物保存地区 |
研究実績の概要 |
平成26年度の研究成果については、ホームページ(http://hcra.sakura.ne.jp/wp/archives/540)上で主だった見地活動を開示している。平成26年度は特に12年に一度行われる香取神宮神幸祭の様子を始め、特に考古班による整理作業の様子や長岡造形大学グループによる現地調査への参加などを開示している。 平成25年度の成果として『地域文化遺産の総合的研究(一)千葉県香取市佐原 紀の国屋大蔵の保存と活用』を刊行した。内容的には、内川隆志「地域文化遺産の再生に関する総合的研究の学術的意義」、蒲生眞紗雄 「紀の国屋佐山家の成立と佐原移住の経緯、鎌形慎太郎「近世・近代における紀の国屋大蔵周辺の社会環境」、金出ミチル「紀の国屋の建築 — 隠居所・作業場(離れ)・板倉 — 」、菊池邦彦「紀の国屋佐山家文書近世借用証文類の翻刻と解説」、鎌形慎太郎「明治三十八年における『木盃注文状』について」、伊藤大祐「昭和期の佐山家写真について」、鎌形慎太郎「紀の国屋大蔵佐山家文書目録と解題(一)」、「江戸・明治紀の国屋文書目録」となっている。 また、内川隆志は、平成26年9月國學院大學公開文化講座において「千葉県香取市佐原に所在する箕島陶器商人ゆかりの紀の国屋大蔵について」と題し紀州陶器商人の動向と併せて講演を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度は、考古学班では蔵内資料の写真撮影・実測作業の実施を中心に行った。特に、屋外に置かれている土管類についても佐山家が明治中頃から昭和前期に主力商品として扱ったものであるため。年代順に18点を抽出し、写真撮影、実測作業を実施した。細かな作業工程が必要であるため現時点での完成度は約70%である。史学史料班(古文書班)では、昨年度完成した明治時代の文書目録に続き、大正・昭和時代の文書類の基礎整理作業を実施し、概ねその分類作業を終え、目録化を行う事ができた。建築史学班では、蔵内の商品の現状を記録するため蔵内全ての棚の写真記録と詳細な細部観察による記録作業を実施し現在整理作業を実施している。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、総括年であるため上半期は、各研究班共に前年度までに完遂できなかった基礎作業の継続、補完を実施し、個別研究成果のまとめの準備を行う予定である。必要に応じて現地調査も実施する予定である。下半期は、『地域文化遺産の総合的研究(二)千葉県香取市佐原紀の国屋大蔵の保存と活用』の刊行のための準備。即ち実測図のデジタルトレースの完成と写真類の編集、執筆作業が中心となる予定である。 研究経過についてはホームページを更新し、情報開示を実施する。年度末には、研究事業の総括として公開研究会を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた研究成果報告について、より内容を充実させ次年度に先送りし刊行することに切り替えたため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度末までに『地域文化遺産の総合的研究(二)千葉県香取市佐原紀の国屋大蔵の保存と活用』の刊行経費として使用。
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