本研究の目的は、金平に関する国内外での記述や、金平による標本コレクション情報および大学文書の精査分析を元に、金平の国内外での足取りや実績そしてその研究史を、学術的・社会的・歴史的側面から総合的に再評価すると同時に、当時の大学教官における植民地化政策に関わる学術的関与の実情を明らかにすることである。 最終年次は、初年度に引き続き、金平による執筆物(文献、書籍等)・記述・記録の収集、九大に収蔵されている標本資料の情報収集を行い、資料・情報のデータベース化をすすめた。また、学内関連部局内の調査を行い発見された描画資料をデータベース化し、俯瞰可能なカタログ資料を作成した。インドネシアにおいて現地調査を行い、現地研究機関との今後の研究協力体制を整備するとともに、金平のボゴール植物園在職時に関連する重要な証言を得る事ができた。年度末にはミニシンポジウムを開催し、本研究の成果発表や意見交換を行った。
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