日本では博物館法制定当時、博物館関係者は入館料を入場制限と捉える考え方に違和感を持たず、日本人の側に「無料制による教育の機会均等の達成」という考え方は育っていなかった。日本では低所得者層に優遇措置を設ける発想がなく、未だに博物館を無料化する意味を認識できないものと考えられる。 アメリカ合衆国では無料館の割合は約2割であり、約半数の館では入館料が10ドルを越える。こうした事情を背景に、社会的な公正を目指す各種の工夫(無料日・無料時間帯の設定、低所得世帯の多い学校団体への優遇措置、福祉的プログラムの実施等)が行われている。
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