研究課題/領域番号 |
25350413
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研究機関 | 兵庫県立人と自然の博物館 |
研究代表者 |
八木 剛 兵庫県立人と自然の博物館, その他部局等, 研究員(移行) (40311485)
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研究分担者 |
赤澤 宏樹 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (30301807)
布施 静香 兵庫県立人と自然の博物館, その他部局等, 研究員(移行) (30344386) [辞退]
小舘 誓治 兵庫県立大学, 付置研究所, 助教 (60254455)
古谷 裕 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (90173541)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 博物館教育学 / 社会教育 / 子ども / 東日本大震災 |
研究実績の概要 |
東日本大震災以後、多様な博物館の職員が関与して、子どもを対象とした体験型プログラムを展開している「こどもひかりプロジェクト」について、活動内容や団体運営面の特性を詳しく把握し、システムとしての持続可能性を検討してきた。研究最終年度にあたり、持続可能な活動を行うために不可欠な要素である資金調達に関して、団体関係者へのヒアリングとともに、諸資料を分析した。 プロジェクトの事業規模は、本格的な活動を開始した平成24年度では、収入ベースで300万円足らずであったが、5年目の平成28年度には900万円を超えていた。財源は、活動開始当初は、寄附金、助成金のみであったが、順次、広告・協賛料収入、自主事業収入、賛助会費収入が加わり、多様化した。平成26年度までは助成金収入が60%超であったが、しだいに自主事業収入の割合が増し、平成28年度には助成金収入が46%、自主事業収入が26%となっていた。支出では、管理費の割合が非常に低く、団体PR資料の作成が行われた年以外は、5%未満であった。単年度収支にはバラツキがあり、震災直後で寄附金が多く集まった平成24年度、自主事業収入が拡大した平成28年度では、50万円を超える収入超過となっていたが、平成25年度は110万円を超える支出超過となっており、改善傾向が見られるものの、負債が資産を上回る状態が平成28年度まで続いている。平成27年度には資金繰りに困窮し、主要な団体構成員から個人的な借り入れを行っている状況も判明した。 ニーズに積極的に対応する姿勢は財務状況の悪化を招くが、事業が小規模であるため、顔の見える構成員どうしの信頼関係によって、活動が継続されている。管理部門の支出を抑え、ボランティアベースでマネジメントできる小規模な事業ユニットは、それ自体の継続性に欠けるものの、他に波及することでシステム全体の持続可能性には有効ではないかと考えられた。
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