研究課題/領域番号 |
25350414
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 公益財団法人元興寺文化財研究所 |
研究代表者 |
角南 聡一郎 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (50321948)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 台湾 / 原住民族 / 物質文化 / 博物館 / 研究史 |
研究概要 |
日本国内に所在する台湾原住民族関連資料について、関連文献を収集しデータの集積をおこなった。これまで台湾原住民族の物質文化については、所在地や関連文献の一覧が作成されたことはほとんどなく、有意義な作業であった。これにより、国立歴史民俗博物館などに、未知の資料が収蔵されていることが明らかになり、予想されていたよりも多くの資料が日本国内に保管収蔵されていることが判明した。しかしながら、これらの資料が展示や紹介されることはほとんどない。 その理由として、日本国内には台湾原住民族の物質文化についての研究を行っている研究者がほとんどいないため、国内の状況を掌握することがなされてこなかったことがあげられる。しかし、本研究により、国内の状況を詳細に把握することができるならば、台湾の研究者や原住民族自身へと発信することが可能となり、資料を共有することが期待される。これら資料の来歴が明らかになれば、研究者やコレクターの活動を復元することも可能となるであろう。また、台湾に現存していない資料が、日本国内に保管されていることも想定されるため、資料を熟覧し形状や素材などの細部についての情報整理が必要と考えられる。 来年度以降は、これまで前述の国立歴史民俗博物館などの、これまで知られていなかった資料について臨地調査を実施し実態を明らかにする予定である。また、日本国内の台湾原住民族研究者や台湾の研究者にも資料について情報を求め、類例や製作・使用された年代や部族についても検討をおこなうことを考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献調査などにより、当初予想してたよりも多くの資料が国内に存在していることを明らかにでき、研究は進展をみた。
|
今後の研究の推進方策 |
特に多量の資料が保管されいる、国立歴史民俗博物館について焦点を絞り、臨地調査を実施することで、効率よく研究を遂行することができると考えられる。
|
次年度の研究費の使用計画 |
当所予想していたよりも、文献調査に時間がかかり、データの整理にまで到達しなかった。このため人件費などで残金が生じた。 資料について正確な情報を把握できたことにより、臨地調査の時間と経費が想定可能となった。翌年度は文献調査で判明した資料について詳細な調査を実施する計画である。
|