最終年度はこれまで継続して実施してきた、国立歴史民俗博物館所蔵「高山族民俗資料」の調査及び非破壊分析をおこなった。また、香川県坂出市鎌田共済会郷土博物館、長野県松本市松本民芸館の台湾原住民族関係資料の調査を実施した。天理大学附属天理参考館の台湾原住民族関係資料について、非破壊分析を試みた。鎌田共済会郷土博物館では、調査成果を山田仁史「台湾サイシャット族の珠裙」、角南聡一郎「宮武辰夫の蒐集と台湾原住民族」にまとめ、館発刊の『郷土博通信』6号に寄稿した。また、最終年度に計画をしていた公開ワークショップを2016年1月23日に、国立民族学博物館にて開催した。発表は、角南聡一郎「日本国内の台湾原住民資料の概要」、山田仁史「松本民芸館所蔵の台湾原住民族資料」山田卓司「日本国内の台湾原住民族資料の材質分析」としておこなった。また当日配布した資料集には、日本文及び中国文の発表要旨を収録した。これは、日本国内だけでなく、台湾の研究者、博物館関係者に向けて調査成果を発信する意味がある。
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