研究課題/領域番号 |
25350421
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
斉藤 享治 埼玉大学, 教育学部, 教授 (60170495)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 沖積扇状地 / 巨大扇状地 / 河成扇状地 / 集水域面積 / 扇面面積 |
研究概要 |
日本の河成扇状地は沖積扇状地として世界的にほぼ再確認されたので,その再確認を確実にするため,より多くの地域において河成扇状地の集水域面積と扇面面積の関係式を得ること,また報告することにした。そのため,すでに関係式が得られている中央アメリカのコスタリカの扇状地について,埼玉大学紀要教育学部において2013年に報告した。さらに,中央アメリカのエルサルバドルおよびホンジュラスの5万分の1地形図を購入し,面積2km2以上の扇状地の収集をした。また,ニカラグアの5万分の1地形図についても約半数を購入済みであり,扇状地の収集の準備を整えつつある。残りのニカラグアの地形図については,平成26年度に購入予定である。 スイス,リヒテンシュタイン,オーストリアの扇状地について,集水域面積と扇面面積の関係式については,2.5万分の1および5万分の1地形図を用いて求め,地理学研究報告(埼玉大学地理学研究室)で2003年に報告した。スイスおよびリヒテンシュタインの扇状地については,現地調査で確認していなかったので,平成25年度,現地調査を実施し,扇状地の分布また扇状地の範囲について,間違いないことを確認し,集水域面積と扇面面積の関係式に変更のないことを確認した。 以上のコスタリカ,スイス,リヒテンシュタイン,オーストリアの扇状地の集水域面積と扇面面積の関係式からは,これまでの結果と同様に,巨大扇状地を沖積扇状地の一員とすることができないことが再確認できた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
巨大扇状地と沖積扇状地とを区分するための集水域面積と扇面面積の関係式について,コスタリカの扇状地について報告し,さらにスイスとリヒテンシュタインの扇状地について現地調査を行い,関係式の確実性を高めている。また,エルサルバドルおよびホンジュラスの扇状地についても,2km2以上の面積の扇状地を収集していることから,計画はおおむね順調に進展していると判断できる。
|
今後の研究の推進方策 |
平成26年度には,中央アメリカのニカラグアおよびグアテマラの未購入の5万分の1地形図を購入し,ニカラグアおよびグアテマラの扇状地の収集とともに,集水域面積と扇面面積の関係式を求める。また,すでに扇状地の収集を終えているエルサルバドルおよびホンジュラスの集水域面積と扇面面積の関係式を求め,報告する。 巨大扇状地と沖積扇状地の区分のほかに,そもそも沖積扇状地は,どのようなところに形成されやすいのか,世界的な気候条件のもとで明らかにし,それを報告することも計画している。
|
次年度の研究費の使用計画 |
ニカラグアの5万分の1地形図について,入手が困難な図幅が半数あり,平成26年度の購入にしたことや,エルサルバドルおよびホンジュラスの5万分の1地形図について,一括購入したため,購入費が安くなったため。 購入できなかったニカラグアの5万分の1地形図を平成26年度に購入する。また,費用に余裕ができたので,中央アメリカのジャマイカやドミニカの地形図を購入する予定である。
|