研究課題/領域番号 |
25350432
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大分工業高等専門学校 |
研究代表者 |
平岡 透 大分工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (30626891)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 地域防災 / アンケート調査 / 民間企業 / GIS / 3次元データ / 避難場所選定 / 避難経路探索 |
研究概要 |
大分市三佐地区やその周辺地域の民間企業をはじめ、公益公共法人、医療福祉法人、教育法人などの事業所(約300社)に対して、アンケート調査を実施した。アンケート調査の項目として、「社員数、建物種別、事業所入居階数、勤務日時、避難者受入可能人数、災害時に提供可能な物資、地域防災活動実施の有無、地域防災への意識」などを取り上げた。なお、「災害時に提供可能な物資」とは、民間企業が普段の業務の中で確保しており、緊急時に提供できる水や食料、医療品、通信機器などを意味している。これらの結果をグラフや表にまとめて整理した。 建物形状データや道路ネットワークデータなどの地理空間情報をレーザプロファイラデータにより3次元化した。建物形状データの高さは、建物屋上のレーザプロファイラデータの高さの平均値とした。これらのデータを使用し、津波の到達時間や津波高を設定して、健常者と災害弱者別に、現在の避難場所と避難場所として民間企業を追加した場合を比較することで、どの程度安全性が向上するかを評価した。評価方法として、GIS(地理情報システム)上で視覚的に表現して人が定性的に判断する方法と、避難に要する時間がどの程度短縮されたかを定量的に判断する方法を用いた。これによって、地域防災へ民間企業が参加することの意義を明らかにした。また、津波の到達時間や津波高を設定して、津波や外水氾濫による水の流れる方向や地形の3次元的な起伏、建物階数を基に、避難場所の選定方法や避難経路の選定方法も開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の計画は、「アンケート調査」、「アンケート結果の分析」、「アンケート結果の地理空間上への展開」の3項目を実施する予定であったが、平成26年度の計画の「各種地理空間情報の3次元化」と「3次元地理空間と民間企業情報を用いた地域防災への方法の調査・把握」の一部も実施した。ただし、「アンケート結果の分析」と「アンケート結果の地理空間上への展開」の一部は未着手のものもある。 追加事項として、疫病リスクを考慮した地域防災に関する研究の実施も開始した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の計画で一部実施していない、「アンケート結果の分析」と「アンケート結果の地理空間上への展開」を行う予定である。また、平成26年度の計画の「各種地理空間情報の3次元化」と「3次元地理空間と民間企業情報を用いた地域防災への方法の調査・把握」も完了させ、平成27年度の計画の「地域防災のための3次元地理空間情報と民間企業情報を用いた分析方法の研究」の一部も実施する予定である。 追加事項の疫病リスクを考慮した地域防災に関する研究も引き続き実施する。
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