研究課題/領域番号 |
25350434
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
繁野 麻衣子 筑波大学, システム情報系, 教授 (40272687)
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研究分担者 |
山本 芳嗣 筑波大学, システム情報系, 教授 (00119033)
八森 正泰 筑波大学, システム情報系, 准教授 (00344862)
吉瀬 章子 筑波大学, システム情報系, 教授 (50234472)
池上 敦子 成蹊大学, 理工学部, 教授 (90146936)
高橋 里司 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (40709193)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ネットワーク構造 / モデリング / アルゴリズム / 最適化問題 |
研究実績の概要 |
ネットワーク最適化に対し,理論面からの構造解析手法の構築と応用面への発展的展開の可能性の追求の両面から研究を行った. ネットワークの解析手法として,グラフ構造をもつ非適応型グループテストについて引き続き研究を行った.与えられたネットワークの高々1本のエッジが故障しているときに,事前に定められたテストを行うことで,この故障エッジを特定する.テストは連結部分グラフを対象としておこなえるときに,テスト回数をほぼ最小とする方法を提案した.既存の方法だと特定のエッジにテストの負荷がかかるが,提案手法ではなるべく均等にエッジを利用してテストを行っている.格子グラフに対しては再帰的な方法を提案しており,他のグラフへの適用可能性も残している.完全グラフに対しては,最適なテスト回数を達成する方法を構築した. また,ビックデータ解析への応用として,スマートフォンアプリケーションの使用データを用い,アプリケーション保持パターンを分類し,その分類にもとづきランク付けを行う手法を提案し,実際のデータを用いて既存手法と比較をおこなった. さらに,光通信ネットワークの効率的利用を目指した要求埋め込み問題に対して,切除平面法によるアルゴリズムを構築した.ネットワーク上を情報が拡散するモデルをゲームとして表した情報拡散ゲームと離散ボロノイゲームについて,グラフ直径で特徴付けを行ったときに違いが明らかになるケースを導出した. 一方で,実問題への適応を主眼として,スタッフスケジューリングの体系化をおこない,本の一部にまとめたり,タクシー事業での最適化技法の可能性についてまとめ,口頭発表をおこなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ネットワーク解析手法に関しては様々な視点から成果を出している.また,応用面でも実際のデータを用いた研究を行い,ネットワーク最適化手法の可能性について検討しながら応用研究を行えている.一方で,応用面において必要となる評価関数の明確化や,実例で必要とされるオンラインアルゴリズムの検討については,今後の課題となっている.
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今後の研究の推進方策 |
理論面では引き続き,グラフ構造をもつ非適応型グループテストのテスト手法の開発を行う.光通信ネットワークの効率的利用を目指した要求埋め込み問題に対して,実際の利用を想定して提案アルゴリズムを検証するとともに,消費電力最小化など別の評価基準を検討したり,オンラインでの利用との相違を明らかにする.情報拡散ネットワークに対しては,これまでのゲームのモデルの違いによる戦略の相違点を明確にまとめたり,競合が起こらない場合の拡散の状況を明らかにする.以上,理論面の研究に関しては,成果を公表できるように論文の執筆を行う. 応用面では,スマートフォンアプリケーションの使用データを用いたアプリケーションの特徴付けを継続して行い,ビックデータ解析におけるネットワーク手法の可能性を探る.タクシー事業でのネットワーク解析を含めた最適化技法の可能性についても,実データを用いて検証を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
2014年3月6日及び3月27日の学会参加発表の旅費,参加費の支払いが3月31日以降のため
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次年度使用額の使用計画 |
2014年3月6日及び3月27日の学会参加発表の旅費,参加費で計上
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