研究課題
昨年度に達成した研究成果をさらに拡張して,新しいメカニズムデザインの理論を構築した.具体的には,入れ子構造となっている環境リスク物質排出量の積算メカニズムを多数の構成要素が影響を与えあう非線形大域結合写像として捉えて一般的な形でモデル化された場合に,どのようなペイオフを設計すると各ステークスフォルダーが全体として望ましい方向へ,各自が自身の利得を高めるべく合理的な判断をすることで導くことができる仕組みを導出した.さらには,リスク指標としてCVarを提案して,複数のプレイヤーが存在する環境下において,もっとも合理的な配分であるシャープレイ値を導出することで,環境負荷の削減に貢献した度合いに応じて利得を配分する枠組みを提案した.このような理論は,グローバル化やサプライチェーン化が進み生産過程が多段的となっている時代において,これまで曖昧であった負担と給付に関する政策科学的な意思決定に有効な指針を与えるものであると考える.
2: おおむね順調に進展している
研究成果は順調に得られており,国際会議や学術雑誌において公開もされている.
積上げにおいて,組み込まれる全てのデータが準備されているとは限らない.そのような場合でもリスク指標であるCVarを評価基準の一つとして活用することで,ランダマイズドアルゴリズムやモンテカルロ法により,要求される精度のもとで,環境リスク物質排出量のロバストな推定値の範囲を見積もる手法を開発する.
研究に協力いただいている先生との打ち合わせが先方の都合もあり実施がキャンセルとなったため
研究に協力いただいている先生との打ち合わせ旅費等
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)
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